──クランクインしてすぐに嘔吐するシーンだったそうですが。
奥仲 そうなんですよ(笑)。撮影が始まって3日くらいは「私の精神、どこにいったんだろう」と思うくらい緊張していて。第1回のオンエアを観たときは、そんな緊張が画面から伝わって絶望的な気持ちになりました。でも、上司役を務めた小田井さん(純烈)が気さくに話しかけてくださったり、共演している方やスタッフの方のおかげでリラックスできるようになって、気がつけば次の撮影日が楽しみになってきたんです。
──杏のキャラクターと自分自身が似ているなと思うことはありましたか?
奥仲 けっこう似ているなと思います。普段から他の誰かを優先したり、自分の気持ちを抑えることが多いので。だから、演じやすさはありました。
──奥仲さんの困り顔がキャラに合ってると思います。
奥仲 私、すぐ困っちゃうんですよ。眉間にシワが出ちゃう(笑)。すみません!
──いま困らなくても(笑)。杏をどう演じようと考えましたか?
奥仲 『ももあん』は現実では経験しないようなことが起きるじゃないですか。だからこそ観ていて楽しいと思うんです。そんな非現実的なことを、いかに現実で起きたように見せることができるか考えながら演じました。酒見監督の演出もすごく楽しいんです。オンエアを観て「こうなっていたんだ!」と驚くこともありますから。
──今作の監督を務めた酒見監督からどんな言葉をかけられましたか?
奥仲 初めてお会いした時に「ノリでやって!」と言ってくださって(笑)。その言葉に救われました。クランクインする直前には『もも』『あんず』『さくら』の花言葉を教えてくださって、タイトルから6話の中で杏が成長していく過程が描かれているんだと理解できたんです。