――麻雀が手軽に観戦できる時代になったひとつの弊害として、放送中のコメント欄やSNSなどで、応援だけじゃなくバッシングのコメントがあふれるようになったと聞きます。そういう一部の心無い声もプレッシャーの原因に?
岡田 芸能活動をやって来てバッシングされることもなくはなかったですけど、テレビのバラエティ番組に出るよりも、Mリーグの試合に1回出たほうがツイッターに来るコメントの量が多いです。それで負けたら叩かれて、勝っても「どうせ運だけ」みたいな。
――それはひどい!
岡田 1年目の試合で私が一度、トップの状況から対戦相手に振り込んで、同点に追いつかれて試合が終了したことがあったんです。その時は本当に誹謗中傷のコメントが殺到して。もちろんミスをした自分が悪いんですけど、その試合までにもけっこう色々言われて「キツいな」ってことが蓄積されていたこともあって、かなり辛かったんですよ。
今こうしてポジティブにやれてるのは、その時にたくさんの方の支えがあったからですね。チームメイトでプロとしての大先輩の沢崎誠さんが、追い込まれた私を見てすぐに「休みな」って言ってくれたり、ミスをした試合の対戦相手だった小林剛さん、魚谷侑未さん、黒沢咲さんもみんな励ましてくださって。
――対戦相手が励まそうと思うくらい打ちのめされていたとは……。壮絶ですね。
岡田 1年目はその件に限らず、思い出したくもない事がたくさんありました。ただその時、剛さんがかけてくれた言葉がすごく心に残っていて。「プロはミスをしないのが仕事じゃなくて、ミスを見せるのが仕事だから」っておっしゃったんです。剛さんの真意はわからないですけど、私は「ミスしてもプロはそれを見せなきゃいけないし、それよりもミスした後でどうリカバリーするかが大事だよ」という風に受け取ったんですね。私の中にはない発想でした。ずっと、ミスしないように、ミスしないように、と思って麻雀を打っていたんで。
――そうした周囲の助けや支えがあって、徐々に前を向けるようになった、と。
岡田 はい。本当に嫌なこと、怖いことだらけでしたけど、そういう挫折も今思えばめちゃくちゃいい経験だったと思います。今は落ち着いて、すごくどっしり構えて打てるようになりましたから。Mリーグだけじゃなくて別の対局でも。