――ちゃんと変顔が感情に紐づいているんですね。
松居 田中みたいに、ズレだったりギャップだったりが面白かったり、愛しかったりして、そういう人間の感情が好きなんです。
――『くれなずめ』はシリアスとコメディの配分が絶妙です。
松居 僕は『くれなずめ』のように何気なく優しい話が好きで、もっとやりたいんですけど、なかなかオファーがないんです。『アフロ田中』と『バイプレイヤーズ』のイメージが強いので、コメディの話がくるんですけど、コメディは自分の中から生まれたものじゃないとできないですし、求められていることと、やりたいことにズレを感じてしまうことが多いです。同じような内容にしかならないと申し訳ないので、そこの折り合いも難しいところです。
――今後どんな映画に挑戦したいですか。
松居 家族の話、恋愛、サスペンスなど、ど真ん中をやりたいんですけど、振り返ってみると僕の映画はどのジャンルにも入らない変な作品ばかりなんですよね(笑)。