ーー女の子がカメラを持って、というと、風光明媚な場所に撮影旅行に出かけて、みたいな印象があります。
豊永 私は綺麗な景色というのは見て楽しむものだと思っています。そういえば、よくカメラをはじめようと思った方がすぐに断念してしまうのって、実はここに原因があったりするらしいんですよ。有名な場所の写真って、たくさんの人が撮っているから、素晴らしいものもいっぱいあるんですね。その写真と比べて「何で私はこういう風に撮れないんだろう」とガックリして、カメラから離れてしまう。それってもったいないですよね。
ーー豊永さんはどういう撮影からスタートしたんですか?
豊永 私の通っていた高校は自由度が高くて、学校に一眼レフのカメラを持っていってもよかったんですよ。それで学校の体育祭や球技大会ではカメラマンみたいなことをしていたりもしましたけど、基本的には学校という場所での「日常」を撮っていました。
教室で友達がしゃべっているところとか、教室の窓から見える景色とか。自分の視界にあるもの、自分が見えているものをそのまま残す、という感覚です。高校だとクラスメイトと、同じ時間を過ごせるのって1年しかないわけで、それを瞬間冷凍して残しておこう、と。