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UPDATE|2021/05/27

デスマッチのカリスマ・葛西純の意外な私生活「リングでは血みどろ、家庭では普通のお父さん」

葛西純 撮影/西邑泰和

凶器アリ、反則ナシの特殊ルールで行われる、プロレスの究極の試合形式“デスマッチ”。リングの上では爆散された蛍光灯に囲まれ、背中にカミソリが突き刺さり、ガラスボードが飛び散る。そんなデスマッチのカリスマと呼ばれるプロレスラー、葛西純に密着したドキュメンタリー映画『狂猿』が5月28日より公開される。デスマッチと共に人生を歩む葛西純に、デスマッチへの思いと、意外にも家庭的なプライベートについて話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】デスマッチのカリスマ・葛西純

――プロレスの中でも、葛西選手があえてデスマッチを選んだ理由は何でしょうか?

葛西 ガキの頃からプロレスが好きで、うちの親父もプロレスが好きだったのでよく一緒にテレビで試合を観ていたんですよ。ところが、親父はテレビを見ながら、「今の技は当たってない」とか「今のは痛くない」とか言うタイプの嫌なプロレスファンだったんですよ(笑)。自分がプロレスをやろうと思ったときに、親父にそういうことを言わせないような「誰が見たって痛いとわかる」プロレスをやりたくて、デスマッチを選んだんですよ。

――葛西さんの息子さんもプロレスファンなんですよね? 一緒にご覧になります?

葛西 今、息子は17歳なんですけど、大学目指して予備校に通い勉強ばっかりしているんですけどね。夜10時頃、予備校から帰ってきたら格闘技専門のサムライチャンネルを観て、二人で「この選手はしょっぱい。あの選手はしょっぱい」だの…(笑)。

――十分、嫌なタイプのお父さんじゃないですか(笑)!

葛西 悪口はいいんです(笑)! プロレス自体を否定しているわけではないので。そういう話題で親子で盛り上がってます。また、自分も酒飲んでいい気分になってきた頃に、息子がYouTubeで探した「技を失敗したプロレス名場面集」みたいな動画を見せてくれるんですよ。それでまたひと盛り上がりしますね(笑)。

――楽しそうですね。息子さんは葛西選手のデスマッチの試合は見られるんですか?

葛西 息子が生まれた時から、血みどろになってデスマッチしているので、息子の中での父親像というのは、血だらけになってリング上で戦って、家に帰って酒を飲みながらプロレスの動画を見て笑っている姿というのが、それが父親なんですね。だから、彼の中ではスーツを着て電車に乗って会社に通勤するお父さんが異質なんだと思います。


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