ーーあんまり楽しい思い出ではなさそうな言い方ですね(笑)。
あいな やっぱり何がしたいか、っていうと、アニメのアテレコだったんで。今の活躍している声優さんを見たら、歌やダンスのレッスンがあるのは分かる。でも、芝居の舞台までやらされるんですよ! 夏休みをフルで稽古して、めちゃくちゃデカい会場、うちの事務所の先輩で言えば、バカリズムさんの単独ライブくらいデカいじゃん、っていうところを借りて発表会があって。それはすごく嫌でした。
先生も厳しかったし、『別に舞台俳優やりたいわけじゃないし!』って思ってたんで。そういうこともあって、卒業する間際に、「ちょっと違うかな?」って思って。当然ですけど、周りのみんなもめちゃめちゃ声優になりたいんですよ。分母が多すぎるというか。それに気付いちゃって。
ーーその後、お笑いの道に進もうと思ったきっかけがあったんですね
あいな たまたま『ロンドンハーツ』のDVDを観たら、狩野英孝さんの「50TA」の企画があったんです。
ーー狩野さんがアーティストになってCDも出す、という体のドッキリ企画ですね。それで狩野さんを好きになって同じ事務所を目指した?
あいな というより、「この狩野さんみたいな人がいるマセキ芸能社ってどういうところなんだろう?」って。
ーーすみません、あえて言葉を選ばず言いますが(笑)、「ポンコツに見えるこの芸人さんを、ここまで愛されキャラにした会社はどんなところなんだ?」ってことでいいですか?
あいな はい、すごく興味があったんですよね。それで事務所のサイトを見たら、「タレントゼミナール」っていうお笑いのスクールがあって。行ってみようかな、って思ったのが始まりでしたね。