テレビ東京の朝の子供向け番組『おはスタ』発のアイドルといえば〝おはガール〟。テレ東発のアイドルというとモーニング娘。を思い出しがちですが、1997年にスタートした『おはスタ』もこれまでベッキー・蒼井優・酒井彩名・平井理央・松岡茉優・生田衣梨奈（モーニング娘。）など、人気女優やアイドルを数々輩出してきた。
そして今年4月から『おはスタ』で〝朝会えるアイドル〟として、フレッシュな笑顔を振りまいてきたのが、あい・さや・しゅり3人の「おはガールふわわ」。夏にデビューミニアルバム発売を発表してから、これまで本格的なライブ活動を続けてきましたが、今年の総決算であるワンマンライブ『おはガールふわわ はじめてのワンマンライブ!!! ～宇宙まで飛んでけふわふわわ～』が12月21日AKIBAカルチャーズ劇場で開催されました。
おはガールふわわ・しゅり
おはガールふわわ・さや
初ワンマンとあってこの日はお客さんの入りも爆発！ 開場前は会場のある地下1Ｆから地上にまで伸びる行列ができるほどで、開演直前には後方立ち見席までギッシリ。劇場が暗転すると、ワンマンライブについて3人にサプライズ発表する瞬間の映像からスタートした。「えええっ！」という息を飲む驚愕から、「ワンマンライブって何ですか？」というその重大さを分かってない意見までありつつも、この日までの全力を初ワンマンに集まったファンにぶつける覚悟もチラリ。
歓声の中、ステージに登場した3人が歌う1曲目は『あいだにダイア』。真心ブラザーズが歌う『おはスタ』テーマソングのカバーバージョンだ。「ぐんぐんぐんぐ～ん」と手足を伸ばす振り付けがまさに成長期の彼女らにぴったり。そして2曲目でいきなりのサプライズ！ 今回のワンマンのために歴代おはガール楽曲をおはガールふわわが歌うリクエスト企画を行っていましたが、その第３位に選ばれた『モーニングチャイム!!!』（おはガールメープル）を披露。その前奏が流れた瞬間客席からは嬉しい驚きの声が湧き、ちょっと懐かしく、元気いっぱいな３人の「OHA&minus：！」の掛け声に観客も応える。
「OHAー！」のポーズもフレッシュです
あらためて「OHA&minus：！」と全員で挨拶を交わしたあと自己紹介、そしてライブ恒例の『ハピ！ハピ！ハピバースデー！』で、この日誕生日のお客さんを会場全員でお祝い。そこからワンマン特別企画として行われたのが「連続KDXチャレンジ」！ 番組でストリートけん玉＝KDXにチャレンジし、曲にも取り入れている彼女たちならではのコーナーで、連続でトリック（技）を決めた人にKDXをプレゼント。「ワンマンではお客さんと一緒に何かやりたい！」と言っていた彼女たちのアイデアが実現した企画だ。
『おはスタ』から一躍ブームとなったKDX（ケンダマクロス）に挑戦
ちなみにこの日はおはガールふわわの意見を取り入れたKDX『ふわふわポップ』も会場で先行発売。けん玉ブームはまだまだ盛り上がりそう……というところで曲はもちろんKDX公式イメージソングの『クロスマイハート』！ 曲間には3人のKDXトリックもあり、その度に歓声が起こる。初めてのワンマン、初めての自分たちを見に来てくれたファンだけの声に、3人の笑顔は弾むばかり。
3人の珍回答が続出した映像コーナー「ふわわに聞く100のコト」を挟んで、ふたたび登場した3人はふわふわのスカートが愛らしい『トロイメライライン』の衣装にチェンジ。そして再び歴代おはガール楽曲リクエストの曲発表コーナーに移って第2位の曲の発表。後ろを振り向いて小道具ボックスの中から取り出したアクセサリーを頭につけて振り返ると……小悪魔のツノ！ ということで第2位は『こあくまるんです』（おはガールちゅ！ちゅ！ちゅ！）。
タイトル通り、恋心を隠せない積極的な女の子の気持ちを歌った曲はちょっと彼女らには早すぎ!? それだけに「ちゅき！」と可愛く歌う姿は背伸び感あって、また本家とは違う魅力がありました。
元気いっぱいのパフォーマンスに会場も熱気が充満
小悪魔カチューシャは「ふわわ」にもお似合い！
リクエスト第1位の前にそれぞれが好きな曲として挙げたのは『夢ふうせん』（あい）、『花、ひらり』（さや）、そして『こいしょ!!!』（しゅり）。そして待ちに待ったリクエスト第1位曲として流れたのは『こいしょ!!!』（おはガールちゅ！ちゅ！ちゅ！）。
発表時、元JUDY AND MARYのTAKUYA氏の作曲で話題を呼び、一気にちゅ！ちゅ！ちゅ！の名を知らしめた人気曲だけに、前奏が流れた瞬間会場は大盛り上がり！ ふわわメンバーに名前を変えて客席からのコールも決まり、サビでは3人も全力ジャンプ！ 名曲は後輩に歌い継がれても変わらず名曲でした。
『こいしょ!!!』では、めいっぱいのジャンプを見せる！
続いては3人のソロ曲披露コーナー。完全にステージでひとりだけで歌うのは初めてとあって３人とも「緊張するね！」「舞台の袖で見てるからね！」とドキドキ。曲紹介もそれぞれで、あいが「ストーリー性があって素敵な曲です！」と紹介してしっとりメロウな『風そよぐ丘』で会場の空気を温かい気持ちにさせれば、しゅりが「元気が出る曲です！歌詞のメッセージをチェックしてね」とアップテンポな『Happy Stage』を歌う。
そして、さやが最前列の子供たちに「キッズのみんな、青春ってわかるかな？」「一足早く感じてあげようかな」と、12歳ながらお姉さんらしく振る舞いつつ歌ったのが80年代風の『恋のウインドチャイム』。3人とも自分のためだけの曲が出来たことに感動しながら、またグループの曲とは違う世界を伝えてくれました。
ライブも終盤、そして12月も既に後半でクリスマスも間近ということでプレゼントコーナー。そこで当たらなかった人にも、3人から真っ赤な帽子をかぶって歌のプレゼント、歌はもちろん『クリプレ！』。クリスマス曲らしいキラキラした曲を披露すると、残念ながらもう最後の1曲。
ラスト曲の前に3人からお客さんへの感謝の気持ちをマイクで届ける。「こんなに来てくれると思わなかった」と涙まじりにしゅりが話し、あいとさやが関わってきた人たちへ感謝の意を表す。初めてのワンマン、初めてのソロ、初めての企画コーナーを通じて彼女たちも成長したはず。
集まったファンへの想いをまっすぐに届ける
そんな初ワンマンを締めるのは『トロイメライライン』。宇宙を舞台にした歌詞どおりのドリーミーな旋律とファンキーなギターが印象的なエレクトロポップで、メンバーも観客も一緒に「発車オーライ！」で敬礼ポーズ。ステージを見たファンを〝ふわわ〟な気持ちにしてくれる。その後、アンコールでＴシャツ姿に着替えて3人が再登場。ふたたび『あいだにダイア』を歌って、おはガールふわわ初めてのワンマンライブ昼の部は幕を閉じました。
夏から多くのライブやイベントを経験し、なおかつ朝の『おはスタ』でも活躍してきたおはガールふわわ。初めてのワンマンは、3人揃って「緊張！ 緊張！」と言っていたものの、どう見ても3人の楽しさや嬉しさの方が思わず前に出ちゃう、つい笑顔が溢れてしまうライブでした。そして彼女たちも歴代おはガール楽曲を歌って、先輩たちの魅力を継承したのでは。2015年もさらにぐんぐん伸びそうな3人、〝朝会えるアイドル〟と言わず昼も夜も会いたいアイドルに成長してください！
これからが楽しみな初ワンマンでした
大坪ケムタ アイドルから大人向けまでいろいろやってます、なフリーライター。共著に「ゼロからでも始められるアイドル運営」（コア新書）
