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UPDATE|2021/07/29

「プロレスには人生を変える力がある」元アイドル、師弟2人が顔面ビンタで紡ぐ執念のドラマ

上谷沙弥、中野たむ 写真提供・スターダム



「私はいま進んでいる道は間違っていない、と確信している。あそこで握手をしてしまったら、それを否定することになるじゃないですか? 私が決めた道が正しいと証明するには、たむさんから白いベルトを奪って、もっともっと先に進むしかないんですよ。もう師匠と弟子みたいな関係性じゃなくて、次は1人のプロレスラーとして闘って勝ちたい!」

あのままアイドルを続けていたら、上谷沙弥は「絶対的センター」の中野たむを一生、追い抜くことができなかった。それが闘いの場をリングに移したことで、あと一歩で追い抜けそうなところまで到達することができた。壮大な大河ドラマ。中野たむは「プロレスには人生を変える不思議な力がある」と語り、上谷沙弥も「あの試合では技も感情も私の『内から出るすべて』を見せられた。新たな自分だと思うし、こういう上谷沙弥もいるんだ、とみなさんにも知ってほしい」と振り返った。そう、上谷沙弥の人生はもう変わりかけている。

普通であれば再戦にはそれなりの時間がかかるものだが、意外な展開が待っていた。

7月31日と8月1日の横浜武道館2連戦で幕を開ける、真夏のシングル最強女王決定戦『5★STAR GP』(ファイブスター・グランプリ)。ふたつのブロックに分かれてリーグ戦を繰り広げるのだが、中野たむと上谷沙弥は同じブルースターズにエントリーされた。2人の公式戦が組まれたのは8月8日(日)エディオンアリーナ大阪第2競技場。東京でオリンピックの閉会式が行なわれるその日、大阪で新しい運命が幕を開けるかもしれない闘いのゴングが打ち鳴らされる。
AUTHOR

小島 和宏


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