前クールで高視聴率を獲得したTBS日曜劇場『ドラゴン桜』と、現在放送中のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』。そんな2つのドラマで目を引く同学年の2人の女優がいる。南沙良と蒔田彩珠、次代を担う彼女たちの魅力とは?
* * *
『ドラゴン桜』の最終回は、”2005年版”に生徒役で出演していた新垣結衣や紗栄子がサプライズ登場したことで盛り上がったが、その顔ぶれに『ドラゴン桜』が若手俳優にとっての登竜門ドラマであることに改めて気づかされた。
“2021年版”で未来のスターとして輝くだろうと想像されたのが南沙良だ。彼女が演じた早瀬菜緒は、挫折したスポーツエリートでもなく、他界した両親が残した借金に苦しんでいるわけでもない、「イマドキ」の普通の女子高生だ。
いつも笑顔だが、飽きっぽい性格の早瀬が本気で勉強に向き合う姿が、多くの視聴者の共感を呼んだ。時に、物語の進行をスムーズにした「狂言回し」の役割も担った。最終回で「東大に落ちたが、実は青山大学に受かっていた」というくだりも、切り替えの早い早瀬らしい名シーンだった。
本来は「内気で殻に閉じこもりがちな性格」という南だが、「自分の中の一番明るい部分を引っ張り出して」カラッとした性格の早瀬を違和感なく演じている。2018年かはらポッキーのイメージキャラクターを務めていることもあり“第2のガッキー”と言われたこともあるが、確かに南の陰から陽にスイッチできる能力は新垣結衣を彷彿とさせる。