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UPDATE|2021/08/19

元モー娘。“絶対的エース”鞘師里保が語る、ソロでのリスタート「今までも今もずっと私は私」

鞘師里保 撮影/松山勇樹



──『Find Me Out』と『BUTAI』が先行配信され、声質や歌い方が変わったという声もありますよね。

鞘師 もともといろんなジャンルの曲を聴いていたので、「こういう歌い方ができたらいいな」と自分の中で訓練していた部分もあって、今回それを出せたのかなとも思います。あと、今までレコーディングして音源になったときの声とライブでパフォーマンスしたときの声が全然違うなぁというのを感じていて、自分の中ですごく研究した部分でもあったので、歌っている形に音源自体が近づいて、聞こえ方が変わったんじゃないかなとは思います。自分の意識としては5〜6年前と変えていったというより、より良くしていって、今回の形になったという感じですね。

──鞘師さんは発信する言葉にとても心を配られている方だなという印象があります。歌詞を作る上で苦労されたことはありますか?

鞘師 その通りで、自分の言葉を発するときにはちゃんと自分の意図が届くように、無意識に人を傷つけないように、すごく意識して言葉を選ぶようにしています。その言葉にも別に嘘はないんですけれども、歌詞の場合はキレイなろ過し続けた言葉だけを使うのは違うんじゃないかなと思ったので、もうちょっと心の廃れた部分とか思いついた言葉をバーっと書いたんです。なので、これを発表してもいいのかな、こんなに率直な言葉で喋ってもいいのかな、とは全曲に対して思いました。普段発する言葉には枠の制限が特にないので、自分で好きなように言葉を選べるんですけど、今回は節や曲の展開を考えたり、いろんな制限もある中で、そこの塩梅を調節するのもすごく大変でした。

──その中で、特に気に入っているフレーズはありますか?

鞘師 『Find Me Out』のBメロに≪私をもっと知って欲しいのに真ん中を見られるのは怖いから≫という歌詞があるんですけど、それはもう本当に、私という人間のパーソナリティを代表するような言葉なんです(笑)。歌詞を書くときに自分の奥にあるものを出さなきゃ、出さなきゃと思っている中で「私ってそういうことが苦手な人間だよな」と気づいたときに思いついたフレーズだったんですよね。自分のことだけど、自分の性格を言葉にするのってすごく難しいことだなと私は思っているんですけど、その難しいと思っていることや自分を出せないと思っていることを言葉にしちゃえばいいんだ、みたいな。これが今の自分だなとすごくしっくりきた言葉でした。

──8月4日にEPをリリース、9日にはライブを開催されましたが、曲を制作する上でライブを意識されていたのでしょうか?

鞘師 まずライブをすると発表したのが、去年の冬だったんですよ。先に会場を押さえいたんですけど、実はその時点ではプランもないし、準備もしていなくて。順番でいうと、ライブができることが決まったから、じゃあ曲を作ろうという感じですね。なので、ライブを想定した部分ももちろんあります。

CREDIT

取材・文/東海林その子 撮影/松山勇樹


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