窪塚洋介が19年ぶりに主演する縦型ミステリードラマ『上下関係』が7月30日からニュースサービス「LINE NEWS」の縦型動画プロジェクト「VISION」にて配信されている。「上下関係はどうあるべきか? 正しい人間関係の作り方は? その答えは人によってそれぞれ違うと思うんです。この作品がそのことを考える一助になれば」そう語る、窪塚洋介に若い頃から今までの人間関係論について聞いた。(前後編の前編)
【写真】19年ぶりのドラマ主演が話題に、窪塚洋介の撮り下ろしカット【16点】──今回のドラマでタイトルになっている『上下関係』。これは時代によっても変わるでしょうし、年齢によっても捉え方が変わってくると思うんです。窪塚さん自身は、どのように上下関係の認識が変化しましたか?窪塚 俺の場合、それほど変わってはいないですね。昔から後輩に対して上から偉ぶるタイプではなかったし、逆に相手の年齢が上というだけで必要以上に敬うような真似もしていなかったし。年齢的には上でも、ヤワな奴だったら実質はクソガキと変わらないじゃないですか。失礼なことをされて「もうこいつはいいや」と自分が見限った相手に対しては、年上でも相手をしなかったし。年を取ったことによって変わったのは、むやみに怒らなくなったところじゃないかな。
──部活の先輩・後輩関係などに顕著ですが、「年上はリスペクトするもの」という考え方は根強くありますよね。窪塚 もちろん俺だって基本は年上をリスペクトしますよ。最初からタメ口ってことはないですし。今回、作品で共演する(Dragon Ashの降谷)建志くんは1個年上なんだけど、お互いの価値観を共有できているからタメ口で話しているわけで。でも結局、年齢がすべてじゃないのは事実ですからね。子供の頃は「年上の大人たちはすごくて偉いんだな」と何の疑いもなく信じていたけど、だんだんそうじゃないと気づいていくわけです。
「こいつ、こんなアティチュードしちゃうんだ?」みたいな驚きとともに。そうすると「大人だから絶対に偉い」「年上だから絶対に正しい」という発想自体がおかしいと感じるし、結局は個々の人間性なり、「自分がどういうふうに生きていくか」みたいなテーマが大事という話になる。これは上下関係だけじゃなく、あらゆる人間関係に通じることだと思いますね。
──今、窪塚さんと同じぐらいの世代の人から若い世代との接し方が分からないという声も耳にしますが、窪塚さんは10~20代の若い人たちに対する態度はずっと変わらないですか?窪塚 相手が明らかに子供っぽかった場合、無意識のうちに年上っぽい口調になることは多くなったかもしれないな。たとえばライブ前にトイレでションベンしていると、「うお~、窪塚だ! やべぇやべぇ!」とか言ってスマホで動画を撮られることとかあるんですよ。そういうときはさすがに「お前さぁ」とか言いながら、頭をはたくくらいのことはします(笑)。「そういうの、さすがに失礼だから」って、大人として最低限のことは教えないとね。ただ突き詰めていくと、人間関係って「魂と魂」だと俺は思うんです。年齢とか立場は関係ない。それは相手が自分の子供であっても同じで、無駄に偉ぶるような真似だけはしないように心がけています。