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UPDATE|2021/09/12

1年半ぶりの新曲が好評、“逆襲の”AKB48が今こそ見せる一枚岩の強さ

『根も葉もRumor』MVより

AKB48が今月29日に58枚目のシングル『根も葉もRumor』をリリースする。約1年半ぶりのこの新曲、これまでになかったロックダンスを取り入れ、音楽番組の初披露は好評を博し、公式のダンス動画の再生回数は147万回を突破した。

今のAKB48のテーマは、7月からテレビ東京でスタートした冠番組『乃木坂に、越されました〜AKB48、色々あってテレ東からの大逆襲!』のタイトルよろしく、大逆襲。メンバーたちからは「全盛期を超える」という力強い言葉も聞こえてくる。今、AKB48にはどんな変化が起ころうとしているのか。結成当初からグループを見てきたライターの犬飼華氏に特別寄稿してもらった。

【写真】これぞAKB48、98人ダンスも圧巻、青春感あふれる『根も葉もRumor』MV場面カット【25点】

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先月29日、東京・品川プリンスホテル ステラボールにて行われていたAKB48の舞台『マジムリ学園-LOUDNESS-』が幕を下ろした。これは同月20日から14公演開かれたもので、感染症予防対策をとりながら、有観客で行われた。

 通常、AKB48の舞台は初日かその前日、取材陣向けにゲネプロ(本番同様に行われる通し稽古)がある。ところが、今作は感染症対策の余波を受けて、なかった。そのため、最終日の様子を配信で観ることになった。

 大まかなストーリーは、いくつかのグループが対立しているが、最終的には争いをやめて、ひとつになる――というもの。力によって決着をつけるという、『マジすか学園』シリーズの流れとは一線を画すものだった。

 主役を演じた岡田奈々のセリフには、以下のようなものがある。

「喧嘩をやめて、星を見に行こう!」

 争いを好むメンバーの前でこう言い放つのだ。そうすると、メンバーははっと我に返り、団結へと向かっていく。

 この結末についてしばらく考えた。おそらくAKB48というグループそのものの現在の姿を示しているのではないか。そう感じた。

 争いをやめること。それは、選抜総選挙が行われなくなったことを指しているはずだ。AKB48グループは2009年から選抜総選挙を開催してきた。総選挙といえばAKB48。それはこの巨大アイドルグループの代名詞的なイベントと化し、絶対的センターの前田敦子と対抗馬の大島優子のセンター争いは見る者を釘付けにした。メンバーはスピーチで名言を連発した。AKB48の総選挙は世の中に浸透し、「○○総選挙」という番組や企画はすっかり定番になった。2018年の第10回を最後に総選挙は開催されていないが、「エンターテインメント界に一時代を築いた」としても言い過ぎではないだろう。
AUTHOR

犬飼 華


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