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UPDATE|2021/09/17

『全裸監督』作家・本橋信宏の新作はテリー伊藤「本を出しましょうと言ったらあっさり“いいよ”」

『出禁の男 テリー伊藤伝』本橋信宏 (イースト・プレス)



――3人とも立て板に水のように話しますよね。

本橋 天下を獲る人は自分の価値観、世界観を持っているから、熟成した言葉があふれ出るんです。

――本橋さんは、どうして伊藤さんや村西さんのようなアクの強い人たちと長く付き合ってきたのでしょうか?

本橋 たまたまです(笑)。もともと村西監督も伊藤さんも取材で会った訳ではなく、個人的な付き合いで始まっているから、いつか彼らを対象に本を書きたいという商売っ気もなかったんです。だからこそ平気で書けないことも言ってくれるし、いわゆる「巻き込まれ型」と言いますか、一緒に過ごしていく結果として、本に書くことになったんです。あと、ないものねだりというのもありますね。

先ほどお話に出た『週刊アサヒ芸能』もそうですけど、山口組だとか弘道会だとか怖そうな取材をしている実話誌の編集長に共通するのはおっとりして、優しい風貌ですよ。昔から伊藤さんは、「一流のお笑いディレクターは普段つまらない奴なんだ。自分がつまらないというコンプレックスがあるから、それを他者に演じてもらうんだ」と言ってました。それと同じで、自分にないものを村西とおるや伊藤さんに託して書いているところがありますね。まあ伊藤さんはお笑いディレクターなのに、本人も面白いですけどね。(後編へつづく)

【後編はこちら】作家・本橋信宏がテリー伊藤の“出禁”伝説を本にした理由「記録されざる文化を活字で残すのが私の役目」
AUTHOR

猪口 貴裕


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