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UPDATE|2021/10/08

園子温がニコラス・ケイジ主演でハリウッド進出「メジャー感クソくらえ、世界中が驚くものを」

園子温(C)2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.



──いわゆるフジヤマ・ゲイシャ・ハラキリ的なステレオタイプをあえてやると。

園 そうそう。最近まですっかり忘れていたけど、ちょうど15年ぐらい前に、海外で映画を撮りたくてロスに何回か行っていて。そのときの最初の企画書では、白人のチアガールたちが修学旅行で日本に来て、サムライゾンビと戦うっていう、わざとZ級の映画をプロモーションしてたんです。東京に着いた彼女たちの目の前には、富士山があって、桜が散ってて、新幹線が走っているそばで侍たちが切腹して……って、テキサスの田舎のおっちゃんがクレパスで描きそうな、ぶっ飛んだやつをね。

で、それが叶わなくて、帰ってきて『愛のむきだし』を撮ることになったんですけど、今にして思えば、そのときの片鱗が今回の映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』には全部あるなって(笑)。砂漠の予定だった場所が、サムライタウンになって、ゲイシャはいるわ、ニンジャはいるわで、とにかくあらゆる種類の人間がギッシリいる。当初のシナリオもめっちゃリライトして、全体の75%ぐらいは書きかえちゃってますからね。

──主演のニコラスはそれに対しては何も?

園 なんの不平不満も言わずにやってくれましたね。初めて会ったときから「お前の『アンチポルノ』って作品に感動して号泣した。だからお前を監督として信頼してる」って言ってくれてね。僕のほうにも、そこで『アンチポルノ』を出してくる彼は信頼できるいいやつだっていうのはあったから、それでもう関係性はバッチリだなって(笑)。

当然、プロデューサーたちとは、口に出せないようないろんな戦いがあったし、完成までにはかなりの困難もありました。でも、僕にとってはニコラスが癒やしだったし、他の演者たちも人格者だったので、現場での撮影はいたって円滑。すごく助けられましたよね。


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