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UPDATE|2021/10/15

ハライチ岩井が語るコロナ禍の芸人「YouTubeをバカにしてたやつほど、今熱心にやってる」

岩井勇気 撮影/西邑泰和



──「芸人たちがみんな一斉に」というところでは、YouTubeチャンネルの開設もこのコロナ禍で一気に進みましたよね。

岩井 多かったですね。俺自身はもともと「別にやったらいいじゃん」と思ってたタイプですけど、YouTubeをやってる芸人をバカにしてたやつほど、今熱心にやってたりする。YouTubeが否定しやすい少数派だったときはバカにして、みんなが始めたらそっちにつく。そういう感じを気持ち悪ぃなぁ、って思いながら見てました。「こういうやつが、なんかテレビでうまいこと制作に使われたりするんだよなぁ」って(笑)。

──ただ、流行りに乗っかるというのは一概に悪いことでもないですよね。

岩井 いやまぁ、そのほうが受け入れられやすいからそうしてるっていうのもわかるんですけど、芸人界隈なんて俺みたいな感じで見てるやつもいっぱいいるのに、恥ずかしくないのかな、とは思いますよね。なんて言うんだろう。芸人からの評価は別に気にしないんだ、やっぱお金が欲しいんだなぁ、って(笑)。

──ということは、岩井さんの行動原理としても「これ、仕事になるな」「儲かりそう」みたいな部分が先に来ることはないと?

岩井 今回の本とかも全部そうですけど、基本的には自分のやりたいことをやって、後々考えたときに「これ面白かったなぁ」ってことを書いたり、しゃべったりしてるだけなんで、その時点では何にも考えてないですね。芸人がしゃべってるのとか観てても、たまにわかるときあるじゃないですか。「あ、こいつ、エピソードトーク作るためにやってんな」って。あれ、好きじゃないんですよね。個人的には、別にオチとかなくていいとさえ思ってます。

(取材・文/鈴木長月)

▽岩井勇気
1986年、埼玉県生まれ。幼稚園からの幼なじみだった澤部佑と、お笑いコンビ『ハライチ』を結成し、2006年にデビュー。09年の第9回 M-1グランプリで決勝進出を果たし、一躍人気者となる。近年は『ゴッドタン』(テレビ東京)の“腐り芸人セラピー”や“マジ歌選手権”でみせる毒舌ぶりで脚光をあび、エッセイの執筆の他、ゲームの原作、プロデュースや漫画原作など、サブカル分野でも精力的に活躍中。

【後編はこちら】ハライチ岩井が語る“炎上”ネットニュース「素人みたいなライターに怒らされてる方が恥ずかしい」

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