文芸誌『小説新潮』での連載をまとめたエッセイ集の第2弾『どうやら僕の日常生活はまちがっている』(新潮社)を上梓した、ハライチ岩井勇気。その観察眼と毒っ気で独自のポジションを築く異能の芸人が語る「お笑い」、そして仕事とはーー。取材ラッシュ疲れの愚痴も溢れるド直球インタビューをここに掲載。(前後編の後編)
【写真】新作エッセイが大ヒット中のハライチ・岩井勇気──岩井さんは、深夜バラエティ『ゴッドタン』での“腐り芸人”の顔もあれば、爽やかな朝の子ども向け番組『おはスタ』の“イワーイ”としての顔もあります。求められるキャラの違いに対して、ジレンマを感じたりすることもありますか?岩井 ほぼないっすね。自分を偽ってキャラづけしたことはあんまりないし、ゴッドタンの岩井と、おはスタのイワーイに違いがあるとすれば、テンションの高さぐらい。言っていることが矛盾しないよう、自分としても一貫性を保つようにはしています。
そもそも俺、自分ではめちゃくちゃ“陽キャ”だと思ってるんで。ゴッドタンでは腐ってることも言いますけど、楽しいときは普通にテンションも上がるし、それがイワーイってだけで。おはスタでも、たまにボケ回答みたいなのを求められることもありますけど、自分が面白くないと思ったら言わなかったりもします。
──相手が子どもでも姿勢は変わらない。岩井 子どもって「子どもとして扱われてんな」って意外と気づくじゃないですか。だからたとえば、澤部(佑)と俺で2時間子どもと一緒にいたら、たぶん俺のほうが彼らには好かれると思いますよ。まぁ、澤部の嫁には悪影響だと思われてるんで、あいつの子どもにはまったく会わせてもらえてないですけどね(笑)。