──オタクの気持ちが分かるからこそ卑屈になってしまったと。どのぐらいから状況の変化を感じましたか?相沢 ロックフェスに出させてもらう機会が増えた頃、当時はアイドルがロックフェスに出るのがいまほど一般的ではなかったので、こうやって世界を変えていけるんだと思ったんです。でも、まだまだアニメの界隈には認められていないなと感じていました。ただ2015年に、しょこたん(中川翔子)と一緒にコラボをさせていただいたあたりから、少しずつでんぱ組とアニメや秋葉原の親和性を、秋葉原に来たことのない人たちにも理解していただける機会が増えていったんです。声優さんが普通に役者さんとしても出る時代になっていましたし、世界中の人たちが日本のアニメという文化を素敵なものなんだと理解してくださったという背景もあって、あまり偏見なく楽しんでもらえるようになりました。そうやって、少しずつ時代が変化していったからこそ、アイドルをやりながらアニソン歌手として活動することに繋がっていったと思います。
──今ではアイドルがアニソンを歌うのは珍しいことではなくなりましたけど、でんぱ組.incの功績が大きいと思います。相沢 ただ私はオタクなので、やっぱりアイドルとアニソンには境界線みたいなものがあるなと感じるときもあります。ただ、それは良さでもあるなと思うんですよね。なんでもかんでも一緒くたにして、平等に見なきゃいけないというのは自分の中でも違うなと思いますし、どの世界でもこだわりは失っちゃいけないなって。だから、そこの違和感は残っていていいと思います。
【中編はこちら】相沢梨紗、「この曲じゃなかったら歌えなかったかもしれない」愛が詰め込まれたソロデビュー曲▽相沢梨紗
でんぱ組.incのリーダーとして活動。現在発売中のアニメ『白い砂のアクアトープ』エンディングテーマ『新月のダ・カーポ』でソロデビューを果たす。