FOLLOW US

UPDATE|2022/01/14

「もっと自分と向き合っていかないとダメ」元モー娘。鞘師里保がたどり着いた、自分が歌を届ける意味

鞘師里保 撮影/荻原大志



──企画書というかコンペシートみたいな感じで?

鞘師 いや、もっと素人っぽい学生のレジュメみたいなものですね。ちょっと恥ずかしいんですけど。

──そう言われると内容が気になります。

鞘師 一例を挙げると、今回のEP『Reflection』に『Winding Road』という楽曲が入っているんですよ。最初に出した提案書には、こんなことが書かれていました。「この人は頑張っているとかいないとか、見かけの印象で決めつけてしまう人がいる。それからお金持ちや地位のある人たちの声が、どうしても世の中では大きくなる傾向がある。でも、果たして人を一方的な価値観だけで決めつけていいのか? 弱いと思われている人だって、その人なりに自分の弱さや課題と向き合って悩んでいるのかもしれない。人間の気持ちって本当に複雑なことばかり。むしろ自分の弱さにきちんと向き合っている人のほうが強いのはないのか?」みたいな……。

──すごい! もはや論文ですよ。

鞘師 いやいや(笑)。『Winding Road』は作曲がTAKAROTさんとFUNK UCHINOさんで、Kanata Okajimaと私で作詞をしたんですね。そのときも作詞を一緒にしたOkajimaさんはもちろんですが、作曲家チームも含めて討論会みたいにして曲が出来上がっていきました。曲調やアレンジ……たとえばBPMをどうするかといったことは、言いたいことのテーマが決まったあとで詰めていく流れでしたね。

──今回は2枚目のEPということで、1枚目の『DAYBREAK』からどういった点が成長したと思いますか?

鞘師 『DAYBREAK』のときはとにかく自分と向き合うということが大きなテーマだったんですけど、『Reflection』ではもう少し広く世の中を見渡したような歌詞になっているんですよね。自分の中で感覚が掴めてきた部分があるので、少し余裕が出てきたのかな。それと同時に「ここからだ」という気持ちも強いですけどね。

──昨年8月にライブを行ったことも大きかった?

鞘師 すごくあります。どういうライブになるかを想像しながら書いた歌詞も今回は多いですし。どういう曲調にしたら観ている方と一緒に楽しめるのか? 結構そこは大きなポイントでしたね。曲作りの打ち合わせ段階でも、ライブのことを前提として進めていましたし。パフォーマンスありきの楽曲だし、振付もめっちゃカッコいいんですよ。今回のEPは楽曲自体ももちろんですが、それがライブでどう完成していくかにも注目していただけたらありがたいです。前回のライブとは内容も大きく変わっているはずなので、ぜひ期待していただけたら幸いです。

(取材・文/小野田衛)

▽鞘師里保(さやし・りほ)
1998年5月28日生まれ、広島県出身。モーニング娘。の“絶対的エース”として2015年12月までグループを牽引。ダンス留学を経て2020年9月より芸能活動を再開し、女優や歌手としての活動を本格化させている。
Instagram:riho_sayashi_insta
スタッフTwitter:@sayashi_staff
YouTube(https://www.youtube.com/channel/UCz7dJX1Q68hzLaRjCoTEesA)
CREDIT

取材・文/小野田衛 撮影/荻原大志


RECOMMENDED おすすめの記事