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UPDATE|2015/08/08

さくら学院TIFレポート「大切にしてきたTIFのステージで見せた新生さくら学院」

さくら学院「TOKYO IDOL FESTIVAL 2015」ライヴレポート@お台場・青海特設会場 2015.AUG.1&:2

 今年もさくら学院がTOKYO IDOL FESTIVAL(以下TIF)のステージに立った。2010年8月、結成されたばかりのさくら学院の初めてのライヴが、この年、産声を上げたTIFの舞台だった。それ以来さくら学院の生徒たちにとって、TIFのステージは特別なものとされてきた。あれから5年が経ち、6回目の参加となるTIF。2010年のステージに立った10人の生徒は昨年度までに全員が卒業。まさに新生さくら学院にとっての初の大舞台となる。
 

 フェス当日の東京・お台場そして青海の気候は晴れ。今年も酷暑がアイドルそしてファンを襲う。それでも年々観客動員は増す一方のTIF。アイドルファンにとっても大切なフェスであることがわかる。そんな中、さくら学院は1日2日の両日に登場。部活動ユニットの登場もあるし、「IDOL SUMMER JAMBOREE」では他アイドルとのドリームユニットも組まれる。例年にも増して気合いが感じられるさくら学院のステージの模様を、初日から見ていこう。

 8月1日の土曜日、最初に登場したのは部活動ユニット。フジテレビ湾岸スタジオ1階に特設された「DOLL FACTORY」がその舞台だ。最初に登場したのは購買部の白井沙樹。さっそく新商品を紹介する前に、と白井は「3月で部員だった野津(友那乃)先輩が、あ、今は本条(友那埜)なんですけど……卒業してしまったので」と笑わせ、新入部員が入ったと告げると場内は大拍手。「こんにちは!」と今年の転入生で小5の吉田爽葉香がステージに上がると、フロアは割れんばかりの大歓声に包まれた。

難易度の高い楽曲を、3代目ミニパティが楽しくかわいらしくパフォーマンス(左から)岡崎百々子、日髙麻鈴

 続いて湾岸スタジオ前の「SMILE GARDEN」で行われた「IDOL SUMMER JAMBOREE」に登場したのは磯野莉音、大賀咲希、山出、吉田の4人。アイドリング!!!、アップアップガールズ(仮)、チャオ ベッラ チンクエッティ、バニラビーンズ、風男塾、PASSPO☆のメンバーとコラボした。

 中3になり、さくら学院では最上級生になった大賀であるが、相変わらず年上の他アイドルからは頭を撫でられ、妹のように可愛がられているのが微笑ましい。大賀は「1年間ずっと楽しみにしてきた。今日はその想いを爆発させたい」と笑顔。その大賀の紹介で始まったのは山出も参加するPASSPO☆の『向日葵』。さくら学院でも一二を争うと言われている大賀と山出の歌唱はここでも目立つ。2人とも最高の笑顔で普段は実現しない組み合わせでのステージを楽しんでいるのが伝わってくる。

大賀は大好きな風男塾『同じ時代に生まれた若者たち』をセンターでパフォーマンス

 続いては風男塾の『同じ時代に生まれた若者たち』。センターのポジションで大好きな風男塾の楽曲を歌う大賀は実に嬉しそうな笑顔が印象的だ。

 THE ポッシボーの『全力バンザーイ!My Glory!』を挟んで4曲目には磯野が登場。最後のTIFを「楽しんで最高の思い出にしたい」と宣言して拍手を浴びた。曲はアイドリング!!!の『苺牛乳』。可愛らしい曲に磯野のキュートな歌声がよく似合う。そして最後は全員がステージに揃っての楽曲。大賀、山出、吉田も揃っての曲はさくら学院の『FRIENDS』。総勢16人、それぞれ年上のアイドルとペアを組んで手をつないだり踊ったり、この日だけのパフォーマンスを存分に楽しんでいる。他のアイドルが歌詞を忘れたパートを、山出が急きょアドリブで歌ったシーンが光った。


かわいらしい歌声を披露した磯野

 16時5分、まだまだ熱さの感じられる「SKY STAGE」に満を持して現れたのがさくら学院本体。お台場の景色や東京湾も臨める天空の名物ステージに、まさに天使のようなさくら学院の12名の生徒が勢揃い。チャイムが鳴り、新しい白いTシャツと制服のチェックのスカートという出で立ちの彼女たちがステージに勢揃い。最初の曲は『ベリシュビッッ』だ。転入生6人が加わり、12人体制となったさくら学院のフレッシュ感たるやどうだ。転入式から厳しいレッスン期間を経て、天空の風に髪を揺らしながら踊り歌う12人の姿。転入生たちのパフォーマンスも例年以上に仕上がっていると感じる。

 2曲目は『チャイム』。さくら学院が学校生活をテーマにしたアイドルだということを、初見のファンに伝えるに相応しい楽曲。天空の観客たちもノリノリでステージの熱演に応えるが、ここでアクシデントが。曲終了後に運営から、ジャンプ禁止のアナウンスが入る。湾岸スタジオは階下にドラマの収録スタジオなどがある関係で、屋上でのジャンプは御法度。メンバーも「推しジャン禁止ですよ?」とお願いする。自己紹介に続いて、さくら学院が今年で5周年であることが告げられ、今までに卒業した13名の卒業生に思いを届けたいと紹介された次の曲は『マシュマロ色の君と』。感動的な友情ソングに早くも目が潤んでくるのを感じる。卒業生たちが作ってきたさくら学院の伝統とTIFでのパフォーマンス。それは2015年度のさくら学院にもしっかりとバトンが渡ったことを実感した。

 磯野生徒会長が最後の曲『message』を紹介する。初年度のアルバムのタイトル楽曲をしっとりと歌う生徒たちに涼しくなってきた風がそよぐ。汗にまみれた彼女たちのどの顔にも爽やかな笑顔が浮かんでいる。父兄や初見のファンたちの温かい拍手に送られステージを降りる生徒たち。明日のステージも熱いモノになりそうだ。

スカイステージの爽やかな雰囲気はさくら学院にぴったりだ

 日曜日のさくら学院は、12時35分から「SMILE GARDEN」での部活動ユニットで始まった。既に気温はぐんぐん上昇し、灼熱の太陽の下でのステージ。トップバッターは昨日同様白井と吉田の購買部。途中マイクトラブルによる中断というアクシデントを乗り越え、グッズ紹介に続いて『ピース de Check!』をパフォーマンス。吉田の「写真返して!」のキュートなセリフに多くの父兄が悶絶してしまったようだ。曲途中から磯野、倉島颯良、山出、岡田愛、岡崎、日髙、藤平華乃の7人がバックダンサーとして加わり盛り上げた。

 というわけで、ここに登場していない残り3名が次の部活動か? と誰もが思うところ。登場した大賀、黒澤美澪奈、麻生真彩の3名が可愛い部屋着風衣装で登場。2代目帰宅部 sleepieceの誕生だ。『めだかの兄妹』で、フレッシュ感あふれる転入生2人を、最上級生の大賀が歌唱力で引っ張る新生帰宅部。既存の名曲をカバーするスタイルのsleepieceが、今後どんな楽曲を歌うのか楽しみだ。

 さくら学院の登場は14時35分、メインの「HOT STAGE」だ。昨日とは打って変わり、夏服の制服姿の生徒たち。最も暑い時間帯での登場となったが、体感温度はどれほどのものだろうか? しかし若い彼女たちは元気いっぱい。初っぱなの『FLY AWAY』からフルスロットルで飛ばしていく。彼女たちに引っ張られるように客席もヒートアップしていく。続いては『School days』と初期の曲を並べる。転入生が加わって最初の本格的なステージになるTIFでは、学校生活への期待や夢を歌った楽曲がよく似合う。

TIFの全員でのパフォーマンスは新年度のさくら学院の始まりを感じる

 一列縦隊で点呼を取る声も元気な『負けるな!青春ヒザコゾウ』。成長期の彼女たちの爽やかで甘酸っぱい姿が炎天の下眩しく映える。

 自己紹介に続いて、さくら学院が今年で5周年を迎えたことを説明する磯野生徒会長。次の曲は友だちのことを歌った曲ですと山出の紹介で始まった『FRIENDS』。フロアの温かい手拍子に支えられ、彼女たちは今年どんな風に友情を育んでいくのだろう。そんなことを考えていると、一瞬暑さを忘れ清々しい気分にさせてくれる。続いても初期からずっと歌い継がれてきた『Hello ! IVY』。アイビーとはアメリカ東海岸に端を発した若者のトラディショナルなファッションスタイル。日本でもかつて流行したが、さくら学院にはそんなコンサバティブで品のあるスタイルがよく似合う。

 6名の転入生が入った今年度のさくら学院。次の曲は卒業生、特に昨年度の卒業生の思いの詰まった『君に届け』だ。卒業式での感動もまだ記憶に新しい同曲。5周年を迎え、初めてのTIFを知るメンバーはもう誰もいない。さくら学院を作り上げてきた13名の卒業生に届けと言わんばかりの12人の歌声は、どこまでも前向きに爽やかに、真夏の空へとこだました。最後の曲は「5年前にTIFで初披露した曲。卒業していった先輩たちや父兄さんとの思い出がたくさん詰まった曲。これからも大事に歌い続けるし、後輩たちにも歌い続けて欲しい」と磯野が紹介するさくら学院始まりの曲『夢に向かって』。

 いつの間にかしっかりと自分の思いを言葉に出来るようになった磯野の姿に感動を覚える。大賀も白井も最上級生としてぐんぐん成長してるのが感じられる。これなら2015年度のさくら学院も安心して見守っていけるなと、頬を伝う汗だか涙だかわからない熱いモノを拭きながら思う。大賀・白井から10月31日・11月1日にさくら学院祭2015が開催されることが発表され、大きな拍手が湧く。今月からは公開授業も始まる。大切な秋のイベントに向けてどんな成長を見せてくれるのだろうか? ステージを去りながら、次に登場するさくら学院の初代生徒会長でもあった武藤彩未とひとりひとりハイタッチをしていく12人の生徒たちの今後に期待しよう。

5周年を迎え、卒業生全員の想いも乗せた熱いステージとなった

撮影/竹崎清彦
 
竹崎清彦 アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。

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