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UPDATE|2022/02/05

『浅草キッド』松村邦洋が柳楽優弥への所作指導を語る「まずはたけしさんを好きになってください」

松村邦洋 撮影・西邑泰和

ビートたけし原作、劇団ひとりが監督・脚本を務め大ヒットとなっているNetflixの『浅草キッド』。幻の浅草芸人と呼ばれた深見千三郎と、その下で修行をはじめたビートたけしの師弟関係、そして芸人・ビートたけしの誕生秘話を描いている。この作品で、ビートたけし役を演じた柳楽優弥の所作指導を努めたのが、たけしのモノマネでおなじみの芸人・松村邦洋だ。今回、『浅草キッド』に携わることになった経緯と、松村邦洋から観た本作について、話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】『浅草キッド』について熱弁する松村邦洋

――Netflix映画『浅草キッド』で、若き日のビートたけしさんを演じる柳楽優弥さんに所作指導をすることになった経緯を教えてください。

松村 川島くん(劇団ひとり)が『浅草キッド』を撮ると聞いて、「たけしさんの声が必要なら、いつでも協力しますよ」とショートメールを送ったら、「ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。柳楽さんもいい役者ですから」と返ってきたんです。その数日後、「すみません。やっぱりお願いします」という連絡があって。

――それで松村さんが所作指導することになったんですね。

松村 撮影までの準備期間中に教えることになって、まずはゆっくりしゃべってもらいました。「バカヤロー」じゃなくて「バ~~カ~~ヤ~~ロ~~」って。走っている車からは景色がちゃんと見えないけど、散歩をしていると「ここにお寺があるんだ」「こんなところに公園があるんだ」と気づくじゃないですか。モノマネもゆっくり話せば発見があるんです。あとは、柳楽くんの心をほぐしてあげるブルペンキャッチャー的な役割が大きかったと思います。

――心をほぐす、というと。

松村 川島くんはストイックなので、監督として納得のいかないものは出せないと、かなり厳しく“ダメ出し”していたんです。この空気を和ませることも僕の役割なのかなと思ったんです。土は柔らかいほうが芽は出ますし、コンクリートの下から草は生えません。関根勤さんが(モノマネで)「面白いね~」と言ってくれると、若手芸人は伸びますから。


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