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UPDATE|2022/03/04

芸歴57年おぼん・こぼんが語る野心「73歳でもまだまだ売れたいし、ワーキャー言われたい」

おぼん・こぼん 右がおぼん師匠、ひだりがこぼん師匠 撮影/西邑泰和

芸歴57年目にして再ブレークし、73歳で活躍の幅を広げているおぼん・こぼん。今回、芸歴15年以上の芸人を対象にしたお笑い賞レース「G-1グランプリ(ジカタNo.1グランプリ)」の決勝および準決勝の総合司会を務めることが決定した(3月6日準決勝、4月10日決勝)。大会を前に2人に、芸人を長く続けることについて、また芸人としてのチャンスを掴んだ瞬間について、話を聞いた。(前中後編の後編)

【前編はこちら】おぼん・こぼんが語る10年不仲でも解散しなかった理由「お金になるからですよ(笑)」

【中編はこちら】おぼん・こぼんが語る10年不仲でも解散しなかった理由「お金になるからですよ(笑)」

【写真】芸歴57年目にして再ブレークしたおぼん・こぼんの撮り下ろしカット

──最近のおぼん・こぼんさんは、事務所の枠を超えて開催される地方興行「爆笑!!お笑いフェス」にも参加されたということを伺いました。若手芸人と共演することで刺激を受けることもありましたか?

こぼん いや、若手と言っても実際はそこまで若くもないのよ。みんな20代の頃から続けているし、名前も十分に知れ渡っているし、お客さんもしっかりついているし、舞台に上がればドッカンドッカンとウケる。そういう意味じゃベテランに近いというか、安心して見ていられたよね。少なくても僕らが偉そうにああだこうだと言える立場じゃない。

おぼん でも、刺激は確実に受けるよ。彼らの舞台を見ていること自体が、すごく面白い。

──その柔軟性がすごいですね。ある程度のベテランになると、「俺らはこういうスタイルだから」と固めちゃうことも多いと思うのですが。

おぼん いや~、それは違うでしょ。俺らの仕事って、いろんなものを見てナンボだから。たとえ相手が自分より若手であっても、見て盗まなくちゃいけないわけよ。

こぼん この世界で一流と言われる人は、他人の舞台をじーっと見ているんです。ケーシー高峰さんが医者の格好をしながらステージ袖から見つめている姿、今でも忘れられないからね。本当にすごいよ、みんな。他人の舞台を見倒すんだから。(3代目古今亭)志ん朝師匠もそう。(8代目橘家)圓蔵師匠もそう。

おぼん 逆に今の若手のほうが、そういった姿勢はないかもだね。

こぼん 別に「吸収してやろう」とか「勉強しよう」とか、そんな大袈裟な話じゃないの。好きだから見ているだけだし。

おぼん そもそも俺らっていうのは、お笑いが好きだから芸人になったわけじゃない? 映画俳優が普段から好きで映画を観ているのと同じで、芸人がお笑いの舞台を見るのは当たり前の話なのよ。

こぼん 昔からある師弟関係というのは、「見て盗む機会」を与えられるということだからね。「俺についてくれば、俺の芸も盗めるし、共演する奴らの芸も盗めるぞ」という話であって。俺らはそういう環境の中で育ったから、人の芸を見るのが当たり前なんだよ。
AUTHOR

小野田 衛


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