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UPDATE|2015/12/11

サプライズで卒業生が登場!念願の2ショットも さくら学院5周年ライブ2日目レポート

さくら学院「5th Anniversary LIVE~for you ~」2日目ライヴレポート 2015.DEC.06


 5周年公演2日目、横浜の天気は今日も晴れ。この時期の天候としては比較的温かい。そんな穏やかな空気とは裏腹に、心の中はざわついている。初日の公演を見た感触としては、まだ中間地点のような、続きがあるような予感がある。恐らく2日目の公演は初日とがらりと変えてくるに違いない。そんな期待を胸に、入場の列に吸い込まれていく。


歴史をなぞる内容に胸が熱くなる さくら学院5周年ライブ1日目レポート
 


 18時5分、始業のチャイムが鳴り公演がスタート。舞台中央奥にある扉から、1人の人影が現れる。担任の森ハヤシ先生だ。「おおっ!」と、どよめきと共に大きな拍手がわき起こる。「それでは出席を取ります!」森先生の発声とともに『目指せ! スーパーレディー -2015年度-』が開始される。上手から下手から、そして中央に仁王立ちする森先生の背後から生徒たちが現れる。生徒たちの特徴・アピールポイントを楽しく紹介する楽曲の今年度版。歌詞が大幅リニューアルされ、今の生徒たちにアップデートされた内容は、森先生の彼女たちへの大きな愛情が込められている。

 12人、それぞれ個性的で魅力的な子たちが集まったなと改めて感じる。岡崎百々子は正統派の美少女にも関わらす「トォーッ!」と素っ頓狂な奇声で笑わせてくれる。最後の見せ場、麻生真彩のけん玉は今日も完璧な出来映え。本番に強い!

 続く楽曲は『負けるな! 青春ヒザコゾウ』。生徒会長・磯野莉音の合図で「ハイッハイッ!」とコールしながら手拍子で盛り上がる会場。成長期の12人の生徒たちが背比べしあって喜んだりがっかりしたりする姿が微笑ましい。身長だけでなくすべてが着実に成長している彼女たちを、ゆっくりと見守っていきたいという気分にさせられる。

 ここで最初のMCは、まず自己紹介。今日は小芝居はなさそうだ(笑)。白井沙樹はタワーレコード渋谷店にて開催中の「さくら学院 5th Anniversary ミュージアム」に触れ、展示されている初代会長・武藤彩未の制服を職権乱用でお触りしたことを告白して笑いを呼んだ。山出愛子はタワーレコードカフェ表参道店で開催中のミニパティのコラボメニュー復活中をアピールした。

 次の曲は『Song for smiling』。ドラムが叩き出す軽快なリズムに自然と手拍子が起きる。英単語の部分の歌詞は日髙麻鈴の担当。クールな表情で流ちょうな発音をキメてかっこいい。続く『Hello! IVY』はさくら学院らしい清楚で明るく可愛らしいファッション・スクールライフをイメージした楽曲。ステージも客席も元気にフラッグを振り、さくら色の波がわき起こる。ここまで4曲、昨日とはセットリストも構成も全く変えてきている。今後の展開がますます楽しみだ。

 ここで昨日同様、ライブビューイングを行っている同じ建物内の大スタジオに中継をつなぐことに。白井はライブビューイングのオマケのクッションを持っているかを見たいとリクエストし、黒澤美澪奈はフラッグを持っているかどうかチェックしたいとお願い。結果、ほとんどの観客がクッションもフラッグも持っていて、生徒たちも大盛り上がりで喜んだ。

 次の曲は『スリープワンダー』。舞台2階部分も駆使した立体的なパフォーマンスが見どころ。12人が台詞をつないでいく部分も聞きどころだ。「幸せは何気ない日常の中にある」。そんな大切なことを幻想的で不思議な出来事を通して教えてくれる。少女たちの精神的な成長がわかる感動的な楽曲だ。続いてはグリーンのレーザーがサイバーな気分を高めてくれる『マセマティカ!』。倉島颯良と黒澤の中2コンビがクールに公式を唱える。

 場内が暗転し、手拍子の中で始まったのは昨日も披露した『Let’:s Dance』のダンスパフォーマンス。ダンサンブルなインストナンバーに乗って12人の生徒たちが椅子を駆使したダンスを披露する。一糸乱れぬ振り付けは圧巻。キレキレのダンスは出来ればライブで毎回披露して欲しいものだ。続いては『School days』のインストに乗せて「さくら学院5年間の歩み」の映像がスクリーンに映し出される。まだ幼かった初代のメンバーたちから始まり、今日までバトンを受け継いできた13人の卒業生と12人の在校生。皆がそれぞれの夢に向かって努力を続けてきた成果が、今日のこの大きな会場での、盛大な5周年ライブへと繋がってきたのだ。5年間常に我々父兄に元気をくれた彼女たちには感謝してもしきれない思いだ。

 メドレーは昨日同様、『ベリシュビッッ』から『ハートの地球』までの6曲ノンストップ。『WONDERFUL JOURNEY』では途中、倉島が藤平華乃を肩車する場面で、横にいる岡田愛がさりげなくサポートする姿が印象に残った。その肩車で倉島が藤平を降ろすとき、勢い余って藤平が顔から地面に着地したように見えて心配したが、当の藤平はけろっとした様子なので一安心(笑)。

 MCではやはりその点に触れられたが、藤平は「全然大丈夫だよ~」と脳天気に答えて笑いを誘った。次に話題は横浜の観光スポットについて。麻生は「みなとみらいの遊園地に行きたい。前回は自分と美澪奈だけ行けなかったので次は全員で行きたい」と言えば、磯野は「父兄さんも帰りにジェットコースターに乗れば、うちらの座った席に座れるかも」とやって爆笑された。大賀咲希は「場所はよくわからないけど、横浜家ってラーメン屋さんが美味しいので行ってみてください」とアピールしていた。


次ページは、今年度の新曲&:初披露曲をパフォーマンス


アンコールで卒業生が登場! 嬉しいサプライズに会場からは大歓声が


 次に披露した曲は新曲の『キラメキの雫(かけら)』。『FRIENDS』や『マシュマロ色の君と』と同じくcAnON.作の楽曲。前向きに進んでいく気持ちや友人の支えを歌った、さくら学院にぴったりな曲に仕上がっている。間奏では生徒たちが客席を元気に煽り、大きな手拍子で盛り上がった。

 オルゴールの音色が静かに響き渡って始まった次の曲は今年度初披露の『未完成シルエット』。11人の作る円の中心に磯野がいる。やがて中心は大賀と白井が加わり3人に。昨年度の卒業式以来の披露で、徐々に卒業を意識する季節になっていくんだなと感傷的な気分に包まれる。途中、ペアになる部分では磯野と藤平の身長差コンビが微笑ましく映る。

 大賀が「5周年を迎えることが出来て私たちは本当に幸せ者です。父兄さんが優しく見守ってくれ、支えてくれるおかげです。父兄さんに最高に感謝の気持ちを届けられるよう歌います!」と紹介した最後の曲は『君に届け』。一生懸命に、父兄たちの心に届くよう心を込めて歌う生徒たち。最高の感謝の気持ちは客席まで十分に届いてきている。そんな優しい思いを受け取っている僕たち父兄こそ、本当に幸せ者なのだ。

 そして曲途中ではアクシデントが。手がすべったのか、日髙の手から滑り落ちたマイクがステージ後方へ転がり、倉島の足下へ。拾った倉島だが、メンバーの動きの速い部分で、とても日髙に渡せそうもない。磯野の指示もあって倉島は左手に自分のマイクで歌いながら、右手に拾ったマイクを持ったままステージをこなす。両手にマイク状態の倉島が可愛らしい(笑)。一方マイクを落とした日髙も動揺の色は見せず、左手でマイクを握ってるような形を作りながら、マイクなしで歌い続ける。日髙の歌声は、父兄たちの心に直接響いてきたのではないだろうか(笑)。

 アンコールの手拍子が始まる。昨日のような卒業生のビデオメッセージもなく、普通に12人が再登場する。MCではメンバーの感想を聞くことに。すかさず手を挙げたのは日髙。客席からは笑いが起きる。やはり皆、日髙がマイクをすっ飛ばしたことに気づいているようだ。日髙はマイクのことには触れず、「全国でライブビューイングを見ていた父兄さん、そしてここにいる父兄さんたちと盛り上がって楽しかったです」と答えて拍手をもらった。

 次に指名指されたのは、上手端っこで可愛くジャンプしながら挙手した岡田。「5周年をここにいる皆さんとお祝いできたことがすごく嬉しいです。5周年を迎えられたのは皆さんのおかげ。これからもよろしくお願いします」と父兄に感謝し、温かい拍手を浴びた。

 アンコール1曲目は『message』。ゆったりとした、どこか懐かしいメロディライン。この曲を聞くと、楽しかったライブもそろそろ終わり、ちょっとだけ寂しい気持ちになる。ステージ上の12人の生徒たちも、客席の父兄も皆ゆっくりとフラッグを振る。ステージ上横に並んだ生徒たちが、間奏の終わりにフラッグで中央の扉を指し示す。扉の向こうには2人のスラリとした人影。「おおっ!」というどよめきが起こり、やがて大歓声が会場を包む。2011年度の卒業生、三吉彩花と松井愛莉だ。

 ふたりがそれぞれソロを執る。声が少し震えているようだ。この瞬間、筆者は溢れ出る涙を止められなくなっていた。5周年は在校生だけのものでも、ファンだけのものでもない。卒業していった先輩たちにとっても記念の日なのだ。誰もが卒業生の登場を待っていただろう。客席の父兄たちの頬は、皆涙で濡れている。三吉と松井の2人の歌に、12人の在校生の歌が重ね合わされる。場内は大歓声だ。

 曲が終わり、やまない歓声の中、磯野が三吉と松井に自己紹介を促す。三吉は「今のところ中等部7年です」と自己紹介して笑わせれば、松井も「私も中等部7年です、こんばんは」と変わらないふんわりとしたしゃべりで盛り上げる。ここで白井が、松井に憧れている吉田爽葉香に話を振ると、松井は上手端にいる吉田のところへ駆け寄り、「そよちゃん!」と抱きしめる。まるで親子のような身長差の抱擁に、場内は笑いに包まれる。ひとり取り残された三吉は「そよちゃん、お姉さんもいるんだよ?」とやって爆笑を呼ぶ。吉田は「(松井が)可愛くて夢の中にいるよう」と興奮気味。三吉は「愛莉、早く戻ってきなさいよ」と切れ気味だ(笑)。

 ここでふたりに質問タイム。岡田は「どうしたらそんなキレイになれるんですか?」と質問。三吉は「皆、上手いんだなあ、後輩が」と笑わせ、「私たちもスーパーレディになるため頑張ってる途中だから、皆は今のままでいいよ」と続けて拍手に包まれた。

 山出が今年度のさくら学院の印象を質問すると、三吉は松井に促す。「私に聞くのね?」と答える松井に三吉は「しゃべれるようになったんだから、しゃべってください」と返して大爆笑を生む。松井が「パワフルで元気があるし、ダンスもキレッキレ」と褒めれば、三吉も「眩しい」と一言。松井はさらに「莉音が大人になった!」と感慨深げ。磯野が「彩未ちゃんに近づけるように顔笑ってる」と答えると、三吉がすかさず「ほー!?」と怖い声でリアクション。磯野は慌てて「あ、ふたりにもね」と付け加えて爆笑させた。三吉は「あとで終わったらちょっと……」と反省会を匂わせて拍手をもらった。

さくら学院『さくら学院 2014年度 ~君に届け~』

次ページは、三吉・松井が卒業以来であの曲をパフォーマンス!

在校生、そして卒業生もスーパーレディという“夢に向かって&rdquo:羽ばたき続ける


 それにしてもせっかく卒業生ふたりがやって来たのにこれで終わりはもったいない。白井は「あの曲があるじゃないですか!」とふたりにリクエスト。大歓声の中、吉田と藤平が自分たちの身長より高いであろうマイクスタンドを運んできて、三吉と松井は逃げられないように(笑)。「あとはふたりにお任せするので」と去って行く在校生たち。場内からは改めてふたりに大きな拍手とコールがわき起こる。三吉は「今からやる曲はサビの振り付けも簡単なので……誰かさんがダンス苦手なせいで」と笑わせ、一緒に盛り上がってとお願いした。

 曲はもちろん『Brand New Day』だ。父兄たちの手拍子の中、懐かしい歌が始まる。それにしてもふたりとも、グッと大人っぽく美しくなったものだ。三吉は黒、松井はブラウンの衣装で黒いストッキングに腕の部分は黒いシースルーというセクシーな装い。さくら学院時代から大人っぽく見えたふたりではあるが、ファッション雑誌やTVドラマ・バラエティで経験を積んで、ぐーんと大人なタレントに成長したようだ。サビの部分は父兄たちも一緒に腕を振って盛り上げた。

 再びステージに戻ってきた生徒たちにふたりは、「いや~疲れた、オバチャンたち」と笑わせ、「なかなか歌わせてもらう機会がないので楽しかった、久しぶりに母校に帰ってきたみたいで」と満足そうだ。ここで大賀が突然のぶっ込み(笑)。ふたりがSCOOPERSをやる前のトーク、森先生が、そんなにしゃべるんかいと言ってたけどどう思いますか? と振り、三吉は「リハにない暴露ぶっ込んできたね」と笑わせ、「森先生は今日もいつもの感じで良かったんじゃない?」と上から目線で笑わせた。

 最後にふたりからのメッセージ。松井は「今日はありがとうございました。どうでしたか? 私たち」と聞いて大きな拍手をもらった。松井は続けて「(父兄たちが)温かく迎えてくれて嬉しかった。さくら学院は私を成長させてくれた原点。これからもスーパーレディ目指して頑張るので、これからもさくら学院と私たちを見守ってください、今日は本当に楽しかったです」とまとめて拍手をもらった。松井らしく温かく、周りに対して優しい気持ちが伝わってきた。

 三吉は「私たちはこんなたくさんの方の前で歌わせてもらう機会も、さくら学院にいた頃もそんなになかったので、これは後輩たちが成長していった努力の証だし、ちょっとずつ規模の大きい会場でやれるようになってるのは私たちも誇りに思うし、みんな頑張ってるなと改めて感じることが出来ました。これからも在校生は成長していくと思うし、私たちもお手本になれるよう、(武藤)彩未も(杉﨑)寧々とか(飯田)來麗とかBABYMETALも凄く皆、頑張ってるので、卒業生のことも見守って頂けたら嬉しいです」とまとめた後、「8時に終わりますよね? 10時くらいから『おしゃれイズム』に私が出演します。その後の流れでドラマ『エンジェル・ハート』は最終回、その後そのままテレビ付けていただければ松井愛莉が「Going!」に出ます。今日はとっても素晴らしい日だなと」とちゃっかり番宣して喝采を浴びた。三吉はすっかりしゃべりが達者になった印象で、TVに出ていても安心して見ていられる印象。そして変わらず後輩思いな一面が滲み出ているのが嬉しかった。

 ふたりがステージを去り、磯野は「卒業生は、ずっと私たちのことを見守ってくれて、さくら学院のことを大好きでいてくれる優しくて憧れの先輩です!」と語るが、場内は大爆笑。「なんで笑うの?」とやって更に笑いを取っていた。最後の曲は「5年間の思いがたくさん詰まっています」と磯野が言う『夢に向かって』。カラフルなライティングの中、父兄たちの「ハイッハイッ!」の声が元気に響く。在校生たちにとって目指す夢はまだ先。見据える先には三吉や松井、武藤やBABYMETALといった大活躍する卒業生たちの姿が頼もしく輝いている。

 間奏では白井が「さくら学院を5年間応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。さくら学院は永遠に不滅です!」と挨拶し拍手を浴びる。僕たち父兄はその通り、これからも見守り応援していくのみ。それが生徒たちの夢に繋がっていること、10周年、20周年への道となることを信じているから。凜々しくフラッグを振る12人に大きな声援がわき起こる。

 父兄たちは皆満足そうな笑顔を浮かべ、あるいは涙の跡をぬぐいながら会場を後にする。1階ロビーには大きなクリスマスツリー。皆、その場を立ち去りがたい気分でいつまでも歓談している。年内のライブはこれで終了。年が明ければ今年も卒業へのカウントダウンが始まる。誰もが認めるような大きな成長を遂げつつある今年度の生徒たちなら、きっと素晴らしい卒業への道を歩んでいくだろう。これからもその様子を優しく見届けていきたい。

さくら学院『さくら学院 2014年度 ~君に届け~』

セットリスト
01 目指せ! スーパーレディー -2015年度-
02 負けるな! 青春ヒザコゾウ
03 Song for smiling
04 Hello! IVY
05 スリープワンダー
06 マセマティカ!
07 Let’:s Dance
08 5th Anniversary Medley(ベリシュビッッ~Hana*Hana~FLY AWAY~オトメゴコロ。~WONDERFUL JOURNEY~ハートの地球)
09 キラメキの雫
10 未完成シルエット
11 君に届け
アンコール
12 message 
13 Brand New Day(新聞部 SCOOPERS)
14 夢に向かって

 
竹崎清彦 アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。

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