FOLLOW US

UPDATE|2022/05/15

脳科学者・中野信子が語る“不倫”が大バッシングされる理由「個人が社会正義を行う構造」

中野信子 撮影/松山勇樹

著名人の不倫騒動が日々世間を騒がせる昨今、ある調査では、恋人や結婚相手以外の人とセックスをしている性交経験者の割合は男性が4割強、女性が3割強だという。以前『不倫』(文春新書)で脳科学者の目線で“なぜ不倫は減らないのか”を説いた中野信子が、今回国際政治学者の三浦瑠麗による共著『不倫と正義』(新潮新書)を企画し、発売直後から大きな話題になっている。今回改めて中野信子に、人はなぜ不倫をするのか…話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】脳科学者・中野信子

──中野さんは2018年に『不倫』という本も出していますが、以前から不倫への関心は高かったのでしょうか?

中野 不倫というよりも、子どもの頃から結婚そのものについて考えることが多かったですね。

──何かきっかけがあったんですか?

中野 有り体に言えば、両親の仲が悪かったからです。なぜ人間は結婚するんだろうと疑問だったのですが、結論としては人間に結婚は向いてないんだなと。人間に結婚が本当に向いているのであれば、なんで世の中には、こんなに未婚の人がいるんだろうと。そもそも離婚している人が多いですし、『不倫と正義』にも書いてありますが、今は男女ともに不倫率も非常に高いですし、そうすると向いてないと考えるのが妥当ですよね。

──中野さん自身、10年以上前に結婚していますよね。

中野 結婚したくてしたと言うよりは、一緒にいられるのが楽しいと思える人が、ようやく現れたという感じですかね。あと正直に言うと、結婚すると文句を言われなくて済むという構造もあります。女性が一人でいると外野が騒がしいですから、それを黙らせたいなと。まあ、黙らせるために結婚したというよりは、この人素敵だなと思う人がいて、後付けで結婚すれば文句も言われなくなるということです。

AUTHOR

猪口 貴裕


RECOMMENDED おすすめの記事