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UPDATE|2016/04/12

中3卒業後の進路を発表! さくら学院3/22ライブレポート

ライブレポート◆さくら学院 『The Road to Graduation 2015 ~放課後アンソロジー レッツ スタンディング~』@Zepp Diver City 2016.MAR.22


 さくら学院の2015年度の卒業式前最後のスタンディングライブとなる『The Road to Graduation 2015 ~放課後アンソロジー レッツ スタンディング~』が3月22日に東京・お台場のZepp Diver Cityで行われた。東京地方は3連休最終日の前日に桜の開花宣言が発表されたばかり。吹く風は冷たく咲いている花はまだ1割程度と、まだまだ春の雰囲気とは言えない中で行われたライブの模様をお届けする。
 


 卒業式の1つ前の公演。開場を待つ父兄たちの雰囲気はどことなくそわそわしている。毎年この日のライブで卒業生……中等部3年の進路が発表されることが恒例だからだ。2015年度の卒業生3人は、スーパーレディーに向かってどんな道を進んでいくのか?

 キャパ2400人を超えるZepp Diver Cityは、やはり広い。スタンディングとしてはさくら学院史上過去最大の大きさの会場だ。創立5周年を迎え、たどり着いた道。その初期からを知る生徒会長の磯野莉音の卒業が、いよいよ間近に近づいてきた。

 少し感傷的な気分になりながら開演を待つ。可憐Girl’:sの『MY WINGS』が流れる中、影ナレが始まる。中3の3人の登場に場内は大歓声だ。お台場のフードコートで食べたい物を語り合う3人。「肉と野菜以外」と笑わせる磯野。大賀咲希が「コシの効いたうどんに半熟玉子入れたい」と答えれば、白井沙樹は「アイスが食べたい」と三者三様のメニューだ。3人がまもなくの開演を告げると、場内は拍手に包まれる。BGMがいつものWe Are The In Crowdの『Kiss Me Again』に変わるとフロアは大盛り上がり。18時30分、ステージは定刻通りに開演した。

 暗転した場内、大コールの中チャイムが鳴り響き、下手から生徒たちが入ってくる。中央でこちらに背を向けるのは大賀だ。ピアノのメロディが奏でられ、『School days』の合唱が始まる。さくら学院そのものと言える冒頭の歌詞。このフォーメーションでの合唱も恐らくこれで最後だ。間奏部分で元気よく自己紹介する12人の生徒たち。中3の3人に一際大きな歓声が沸き起こる。

 続いて『Hana*Hana』が元気よくスタート。2014年度までのバージョンから今年度のバージョンまで、可愛らしいラップの掛け合いを担当してきた大賀。集大成とばかりに気持ちを込めてよりキュートにパフォーマンスしてくれた。そしておなじみの『FRIENDS』。中3の3人はさくら学院へ転入してきた時期もバラバラで、打ち解けるのに時間がかかり、最初から仲良しだったわけじゃないけど、最上級生になって絆が深まり、今では歴代の中3で一番仲が良いと思う、と言い切った3人の姿を思い出し、視界が歪むのを感じた。まだ卒業式公演じゃない、と自分に言い聞かせこぼれそうになるモノを必死に堪える。

 MCでは、本日は3連休明けの平日の公演ということで、「お仕事はどうされたんですか?」と尋ねるメンバーに、フロアからは苦笑いが起きる。簡単な自己紹介の後は『FLY AWAY』でライブ再開だ。「ハイッハイッ!」とフロアの父兄たちも一体で盛り上げる。間奏部分のダンス、磯野のパフォーマンスもいつもよりダイナミックで大きく映える。


次ページは、今年度初披露の曲に父兄大盛り上がり


生徒たちの1曲1曲のパフォーマンスに、今年度の思い出が蘇る


 そしてこの12人で演じるのは初めてとなる『オトメゴコロ。』が始まり、場内からはおーっと大歓声が上がる。さくら学院では珍しい、恋する女心を歌った楽曲は、転入生も経験を積んだ年度末だからこそ似合うのかも知れない。キレのあるダンスも決まり、普段とは違う大人っぽい表情の生徒たちにドギマギしてしまう。転入式の頃から『オトメゴコロ。』を歌いたいと言っていたという吉田爽葉香はMCで、「(日髙)麻鈴ちゃんと(倉島)颯良ちゃんが歌っているはぁ~(というため息)の部分や、最初と最後のポーズの部分がホントにホントに大好きで……」と、コメントしながらどんどんとテンションが上がってしまって場内を笑わせる。

 その吉田の曲紹介で始まった次の曲は『ベリシュビッッ』。楽しげにダンスする生徒たちに、父兄たちが手拍子を送る。そして磯野の「次は2年ぶりのこの曲!」という紹介に大きなどよめきが起こり、始まったのは『Capsule Scope』だ。2013年度の放課後アンソロジー公演で披露されて以来の実に久しぶりの楽曲。2013年度の卒業ソングと言われるが、アルバムには入っていないし、メジャーコード進行の泣ける歌ではない曲でもあるが、卒業するにあたっての友だちへの想いが伝わってくる曲だ。この曲を持ってきたところに、磯野会長の「卒業だけどみんなを泣かせたくない」という想いが垣間見えた気がする。

 と、思わせながら次の『マシュマロ色の君と』で涙腺を緩ませるという、心憎い流れ(笑)。生徒たちが仲間や父兄たち、大切な人を思いながら歌ってきた楽曲。いつ聞いても泣けてしまうが、卒業直前にはなおさら、心の中の柔らかい部分をぎゅっと掴まれてしまう。生徒たちがソロ部分を歌うパートは、いつもより気持ちがこもり、少し震えているようにも聞こえた。

 MCでは山出愛子が、中等部そしてさくら学院を卒業する3人と小等部を卒業する麻生真彩と日髙に「中学生活3年間、そして小学生活6年間で、やっとけば良かったなと思うことは?」と質問。麻生は「6年生が出場できる近所の小学校が集まって開催される運動会で、大縄飛びで2位に終わったので、もうちょっと練習すれば良かった」と心残りの様子。磯野は「学ランを着てみたかったことと、置き勉(学校に教科書などを置きっ放しにすること)をしてみたかったこと」、と発言して笑わせた。

 読書好きな日髙は、小学校の図書室の本を全部読み終わる前に卒業しちゃうので、中学では図書室の本を全部読みたい!と宣言して拍手をもらった。大賀は、中等部に上がってから、メンバーとあまり遊びに行っていない、学校の勉強が気になっちゃってと、真面目アピールしてブーイングを浴びる(笑)。白井は、中3になってから学校の友だちと1度も遊びに行ってないので、春休み中に時間を合わせて行きたいと、地方組で自由時間が少なかった3年間を思わせた。

 最後に大賀が、「でも一番心残りにしたくないことは、父兄さんとライブを楽しむこと。ここからもっと楽しんでいけたら」とまとめて拍手喝采をもらった。

 そんな大賀の曲紹介で始まった『Jump Up ~ちいさな勇気~』。新しい世界へと羽ばたこうとする中3の3人の背中をそっと後押しする歌詞は、そのまま僕たち父兄にも、一歩を踏み出す勇気を与えてくれる。支えてきたようで、逆に彼女たちに支えられてもきた年月。3人がさくら学院にいてくれた歳月に感謝したい。

 続く『約束の未来』も僕たちを勇気づけてくれる。約束の未来に待っている夢に向け、困難があっても進んでいこうと明るく歌う生徒たちの姿が、ステージ上で眩しく輝いている。本編ラストは『message』。生徒たちも父兄も、さくら学院愛をひしひしと感じられる楽曲。揺れるさくら学院フラッグ。「今年も桜が開くころ 幸せいっぱい咲きました」と歌う生徒たち。まだ一分咲きの東京の桜。やがて満開の時を迎えるよう、卒業生たちにも希望輝く幸せな未来が訪れることを願う。

さくら学院『さくら学院 2015年度 ~キラメキの雫~』

次ページは、アンコールで中3が夢を語る

いよいよ進路を発表!中3の3人が抱く夢とは


 アンコールの大合唱に応え、ステージに戻ってきた12人の生徒たち。いよいよ中3が夢について語る時がやってきた。白井は「もっと勉強して早稲田大学に入り、森先生の後輩になること」と話し始め、観客からはどよめきの声が起きる。森先生への感謝を口にし、人として優しく温かく、勉強も出来るスーパーレディになりたいと宣言し、トークをお仕事にしたいと夢を語った白井。「今まで応援していただきありがとうございました!」とまとめた白井に拍手が起きた。

 続いて大賀は、「さくら学院で培ったいろんな壁を乗り越える力を生かして、どんな困難も乗り越えられる強くて優しい心を持ったスーパーレディを目指して顔笑ります」と語り始める。「さくら学院を卒業したら……」と続く言葉に詰まってしまう大賀。振り絞るように「もっと視野を広げ、芸能界から離れて大学に進学したいです」と続ける。しんと静まりかえって次の言葉を待つ父兄たち。「バンドを組んだりもしてみたいし、もっと自分の可能性を試してみたい。そしてゆくゆくは色んな人を笑顔にしてあげられるスーパーレディになりたい。4年間本当にありがとうございました」と深々と一礼し、温かい拍手がわき起こった。

 磯野は、かねてから発言していたように、「将来の夢は舞台監督になることです」と力強く宣言。ステージからたくさんのさくら学院フラッグが振られているのを見て、舞台監督になりたいと思い始めたという磯野。「さくら学院としてステージに立つのも楽しいけど、自分がサポートして他の人が輝いてる時が、自分が一番輝ける瞬間だと思います。いつかさくら学院のステージを作って、今のさくら学院を超えたい!」と続ける磯野の表情は、夢を語るキラキラとした自信と決意に満ちている。「私の夢が叶えられるよう、これからもさくら学院の応援よろしくお願いします!」と締めた磯野。中学3年という若さで、自分の将来をこれだけ具体的に持って語れるようになった彼女の成長に、ただただ瞠目するばかりだ。

 「ここからは、皆さんと夢というキラメキのかけらを探しに行きたいんですけど。準備はOKですか?」と可愛らしく煽る岡田愛の声に元気づけられた父兄たちが「イエーイ!」と声を上げてライブは再開。曲はもちろん『キラメキの雫(かけら)』だ。信じる道の先に、どんな困難が待ち受けていても、諦めずに前に進もう……というメッセージが、これからいよいよ始まるそれぞれのスーパーレディへの道を歩み始める3人の気持ちを後押しするよう、強く優しく鳴り響く。間奏部分のキレキレのダンスから父兄たちの温かい手拍子へと曲は続き、彼女たちと僕たちの絆を再確認した。

 そしてラストの曲は『See you...』。昨年度は卒業式の最後で歌われた、さくら学院にとって大きな意味を持つ楽曲。まさに卒業と新たなる旅立ちを思わせる歌詞に、胸を締め付けられていく。卒業は終わりではない、新たなスタートへの門出なんだとわかっていても、熱いモノが溢れ出すのを止められない。まだ卒業式じゃないんだと、自分に言い聞かせ、気持ちを堪える父兄たち。

 磯野が最後の挨拶を終え、ステージを去って行く生徒たち。中3の3人への声援が特に大きくフロアに響く今年度最後のスタンディングライブが終わった。楽しかったライブと、中3の進路発表の余韻が父兄たちを包み込む。残された今年度のライブは、とうとう卒業式1度だけとなった。ラストのライブで中3はどんな集大成を見せてくれるのか?在校生9人はどんな成長を卒業生、そして僕たちに見せてくれるのか?

 卒業式にはまだ満開までいきそうにない、今年の桜の花。しかしどの年も必ず桜の花は色づき咲き誇り、さくら学院の生徒たちの門出を祝ってくれる。磯野生徒会長の2015年度さくら学院がどんなラストを見せてくれるのか。しっかりと見届けよう。

さくら学院『さくら学院 2015年度 ~キラメキの雫~』

セットリスト

01 School days
02 Hana*Hana
03 FRIENDS
04 FLY AWAY
05 オトメゴコロ。
06 ベリシュビッッ
07 Capsule Scope
08 マシュマロ色の君と
09 Jump Up ~ちいさな勇気~
10 約束の未来
11 message
アンコール
12 キラメキの雫
13 See you...

 
竹崎清彦 アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。

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