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UPDATE|2016/04/16

それぞれが選んだ道へ“旅立ちの日” さくら学院2015年度卒業ライブレポート

さくら学院 『The Road to Graduation 2015 Final ~さくら学院 2015年度 卒業~』ライブレポ@神奈川県民ホール 大ホール 2016.MAR.27


 さくら学院の年度末最後のライブである、『The Road to Graduation 2015 Final ~さくら学院 2015年度 卒業~』が神奈川県横浜市の神奈川県民ホール 大ホールで行われた。中等部3年のメンバーである3人にとっては、これがさくら学院での最後のライブ、そして卒業となる。5日前のライブでそれぞれの進路について語った3人が、最後に見せてくれた熱いステージと思いをレポートする。
 


 東京地方の桜は、週初めの21日、月曜に開花宣言されたがその後寒い日々が続き、日曜になってもまだ三分咲き程度にとどまっている。昨年度の卒業式ではほぼ満開であったことを考えると、少し寂しい花模様である。今年度もこの日がやって来た。さくら学院にとって、そして父兄と呼ばれるファンたちにとって、最も大事な年中行事である卒業式当日。会場前は朝から物販を求めるファンたちの行列で賑わっている。卒業式の父兄たちの雰囲気は独特である。普段はオフィシャルTシャツなどラフな格好で観戦する者が多いが、この日ばかりはスーツや制服に身を包む姿が多く、和服で着飾った女性ファンの姿も目につく。まさしく、本当の卒業式のような空気に包まれるのだ。

 さくら学院にとっての卒業は、他のアイドルのそれとはちょっと意味合いが違う。メンバーは中学3年の3月末をもって必ず卒業する。そしてそれぞれの夢に向かって、各々巣立っていくのだ。そして卒業がわかっているからこそ、メンバーたちは卒業式で完全燃焼できるよう力を蓄え成長していくし、ファンたちも転入してから卒業までの過程を追いかけ、成長していく姿を見守っていくのである。卒業式は、大きく成長したメンバーたちが巣立っていく姿を見届ける、大切な儀式なのだ。

 3階席までビッシリと埋まった会場。ステージセットは3階建てで、1階中央の階段から2階に登れ、2階には中央と左右に3階に上がれる階段がある。3階中央奥には出入口があり、その上部にはスクリーンが。なかなかの豪華なセットである。気になるのはステージ左右に、客席から上がれる階段が設けられていること。何か仕掛けがありそうだ。

 17時1分、始業のチャイムが鳴る。ステージ3階中央に人影が浮かぶ。担任の森ハヤシ先生だ。大歓声の中、「それでは、出席を取ります!」と森先生の凜々しい宣言。『目指せ!スーパーレディー-2015年度-』のイントロが始まる。ノリノリで口上を述べる森先生を蹴飛ばすように、後ろの扉から出てくる4人の生徒たち。残りの8人はどこだ? と見回すと、客席1階の奥から左右に4人ずつ分かれて登場! 父兄たちは大喜びで拍手を送る。生徒たちは興奮状態の1階席に笑顔を振りまきながら、左右の階段を上がってステージへ。ちょっとしたサプライズ登場に会場は早くも大盛り上がりだ。2015年度バージョンのこの歌も聴き納め。生徒たちのパフォーマンスをじっくりと目に焼き付けよう。岡田愛は豊臣秀吉の名言を中3の3人へはなむけに贈る。「障子を開けてみよ。外は広いぞ!」……スーパーレディへ向け無限に広がる世界へと旅立っていく3人にピッタリの言葉だ。麻生真彩は今日も完璧にけん玉をキメた。

 ノンストップで続く曲は『負けるな! 青春ヒザコゾウ』。生徒会長の磯野莉音を先頭に点呼を取る12人。日々成長していく姿を歌った曲ときびきびとした動きに客席からも手拍子が。背比べする生徒たちが眩しく、微笑ましい。MCでは客席のスーツ率の高さを喜ぶ生徒たち。全国の映画館でもライブビューイングされてることを告げて盛り上がる。卒業する実感は「まだ全然ない」という大賀咲希。「完全燃焼したいと思います!」と宣言する中3勢に対し、「在校生も顔笑ろうね!」と負けずに気合いを入れる在校生9人。

 生徒たちも父兄たちも改めて気合いを入れたところで始まった次の曲は『Hello ! IVY』。さくら学院が最初期から歌い継いできた曲の1つだ。間奏部分ではフラッグを振り、観客席は3階まで1本の満開の桜の木のようにさくら色に揺れはためく。そして続は今年度の曲である『マセマティカ!』そして『キラメキの雫(かけら)』。普遍的なさくら学院のイメージのある『Hello ! IVY』と対照的に2015年度のさくら学院の色が濃い2曲が続き、さくら学院が築いてきた歴史を感じる。そして幼かった磯野莉音が、成長して立派に生徒会長を務めるようになった事実が改めて思い起こされ、胸の奥が熱く疼いた。

 生徒たちが舞台袖に下がると、さくら学院2015年度の歩みの映像が始まる。4月の在校生と転入生の顔合わせのフレッシュな映像、ダンスのレッスン風景やレコーディングの模様。フェスやワンマンライブ、公開授業での生き生きとした姿。時系列を追って見ていくと、どのメンバーも経験したことを自信に変えて、少しずつ成長しているのがよくわかる。毎年転入式から卒業式へ向け、成長のドラマが紡がれていくのだなと感じる。

 さて、ここからはお楽しみの時間。部活動ユニットの登場だ。トップバッターは磯野、倉島颯良、岡田の3人からなる科学部 科学究明機構 ロヂカ?:Ver1.2。逆光の照明に照らされ、白衣に身を包んだ3人が姿を現すと場内は大歓声だ。曲は『サイエンスガール▽サイレンスボーイ』。元素記号や数学の公式を散りばめたクールな歌詞とテクノポップ系のサウンドを、知的美少女然とした3人が一見派手ではないが実は複雑でハードなダンスが彩りを添える。他の曲も、そして新曲も見てみたいと思わせるが、磯野は卒業……。今後の動向が気になる。

 次はがらりと雰囲気を変えてパジャマ姿の3人・帰宅部 sleepieceだ。大賀咲希と黒澤美澪奈が、「今日は卒業式だねえ」「真彩は今日くらい起きてるかな?」と登場するが、麻生真彩はまだ布団の中……というコントを繰り広げながら登場。『すいみん不足』のスタートだ。平和でほっこりとした空気が会場を包み、父兄たちはみな笑顔で手拍子を送る。さて、間奏のお楽しみ・本日の買い出し決め連想ゲームのお題は春の花。馬跳びをしながら花の名前を次々挙げていく3人。「ひまわり!」と夏の花を答えた麻生がやはり買い出しに(笑)。

 コンビニの入口風チャイムが鳴って登場したのは購買部。白井沙樹と吉田爽葉香の登場だ。早速紹介するグッズは卒業式記念のグラス。「割れちゃうかもしれないので、3つは買ってください」と、トークもこなれてきた吉田に笑いが飛ぶ。曲はもちろん『ピース de Check!』だ。白井と吉田がコンビ結成して8ヶ月余り。吉田のダンスやトーク力も上がって白井とのバランスもよくなってきたなと感じ始めたところで白井の卒業を迎えるという、切ない展開に。ひとり購買部になってしまう吉田はどうするのか。次のメンバーは吉田の先輩なのか、それとも後輩なのか? 気になるところだ。なお間奏で登場した、サイン入りTシャツを仕込んだバズーカだが、今年は威力が強すぎて全部3階席まで届いてしまうという事態に(笑)。3階席からは大歓声が上がっていた(笑)。

 そして、ゲームミュージック風のサウンドに乗せて登場したのはコックコート風衣装に身を包んだ山出愛子、岡崎百々子、日髙麻鈴の3人・クッキング部 ミニパティ。新曲の『ジャカパラ Goo Goo ♡ オムライス』が始まる。ふわとろの玉子で仕上がったオムライスを思わず想像しそうなキュートな楽曲を歌い踊る3人。ミニパティだけは卒業生がいないということで、来年度も引き続き楽しめそうだという安心感が漂う。


次ページは、中3がこれまでの思い出を語る


1曲ごとに近づく卒業、楽しさと切なさが入り交じる


 ミニパティの3人が舞台から去り、入れ替わりで残りの9人がMCに登場。MCのお題は今年度の裏話。『マセマティカ!』のMV撮影ではお菓子を食べるシーンがあり、休憩中に職員室の先生の目を盗んでお菓子をこっそり食べていたことを磯野が暴露。「これ職員室の先生も聞いてるから……」と指摘されるも、「もう莉音たち(卒業だから)関係ないから」と本音を漏らして爆笑を誘った。

 ライブもそろそろ後半。日髙が流ちょうな英語で曲紹介した『スリープワンダー』が始まる。立体的なステージセットを駆使して、不思議の国に迷い込んだ少女に起きた出来事と成長を描いた人気曲。いたずらな猫を麻生が演じ、12人で台詞を見事につないでいく。そして客席の大きな手拍子とともに両手にポンポンを持った生徒たちがSAKURAの文字や図形を次々形作る『ハートの地球(ほし)』。優しい気持ちにさせてくれる2曲で父兄たちの心も波が沸き立っていく。

 曲が終わり、生徒たちが舞台の袖へと去って行く中、ステージに残った中3の3名。卒業する3人だけのトークが始まる。転入してきた時期もバラバラの3人、仲良くなるのには時間がかかったようだ。色々なことを語れるようになったのは中3になってからという。卒業写真集の撮影で行った修学旅行のことを楽しそうに話す3人。「何だったの、中2までの私たちは?」と大賀が笑わせる。「今までで一番仲の良い中3じゃないかな」と白井が目を輝かせると、客席からは大きな拍手が起きる。

 ゆっくり時間をかけて絆を育てた3人の楽曲『未知標 ~ミチシルベ~』が始まる。ステージに置かれたキューブに座りながら、感情を込め噛みしめるように歌う3人。「真っ白なこの心で 奏でた夢の音 本気の希望を咲かせた日々」……3人の名前が入った歌詞が愛おしく感じる。ひとりじゃない。仲間がいたから色々なことを乗り越えて成長できたんだ。未来はまだ不確かだけど、みな同じ空の下で顔笑っている。まもなく巣立っていく3人の見据える先には眩しい明日が待っているんだ。歌詞に合わせそんなことを想いながら、素敵に成長した3人の歌に聴き入った。

 ピアノの旋律が流れ、在校生9人がステージに戻ってくる。そしてオルゴールのイントロ。『未完成シルエット』だ。未完成のものがたりを描く中3曲からの流れに息を飲む。1学年下の倉島のダンスが冴え渡る。卒業生3人を中心に在校生が円を描いて包む。ラストも中心にいるのは磯野。グッとこみ上げてくる。

 MCでは在校生が『未知標 ~ミチシルベ~』について語る。岡田が「舞台の袖で見た3人の表情が凜々しかった」と声を上ずらせれば、黒澤は「ルーズリーフに書いた未完成のものがたり、の部分の振りが泣きそうで、ずっと忘れないと思う」と感激した様子。磯野は「ルーズリーフはブログである学院日誌をイメージしてるんだけど、感動したんならこれからもっと日誌を書いてね」と笑わせた。吉田は、大賀の歌い方が好きだとべた褒めし、黒澤は大賀に歌ってみてと無茶振り。大賀が「どんなトンネルも~」と一節披露すると、吉田は「今のが練習よりずっといい!」と嬉しそうで客席も大喜びだ(笑)。

 その大賀が「2012年度の卒業曲を披露したいと思います」と曲紹介した次の曲は『My Graduation Toss』だ。一旦袖に下がった生徒たちを、磯野が呼び込む。ロック調でアップテンポなこの曲には別れの悲しさは感じられない。夢に向けて前向きに歩いて行く意志、そして仲間はいつまでも仲間なんだという想いが込められている。卒業生の中元すず香が歌ったパートを堂々と歌い上げる大賀の歌唱が心を震わせる。彼女たちの明日に待っているのは輝かしい未来への希望。旅立ちという名の衝動の向こうへ歩き出す3人に涙は似合わない。笑顔でお祝いするのが本当だろう、という想いを胸に、こみ上げてくるモノを振り払った。

 大きな拍手が会場を包み、『君に届け』が始まる。2014年度から今年度と、生徒たちが僕たち父兄への感謝を口にしながら歌ってくれた楽曲。2015年度も支えてくれて、見守ってくれてありがとうという、12人の気持ちがひしひしと伝わってくる。中3の歌に込めた想いが胸に響く。「(ワタシ史上最高の)アリガト!」と叫んだ白井。笑顔で見守りたいと思っても、溢れてくる涙を止められなくなってしまった。

 「次の曲がラストになりました」大賀が語る。「次の曲は私が4年間やってきたすべてがぎゅっと詰まってる気がします。12人で父兄さんに史上最高の感謝の気持ちを届けさせてください!」。『約束の未来』が始まる。大賀の、そして12人の気持ちに応えるように、史上最高の応援の気持ちを込めて手拍子を送りフラッグを振る客席の父兄たち。困難な時もへこたれず明るく前を向いて未来へ歩いて行く。そう歌う彼女たちの史上最高の気持ち、確かに胸に届いた!客席の誰もが、熱いモノが光る瞳を輝かせ、笑顔で12人を見つめていた。

さくら学院『さくら学院 2015年度 ~キラメキの雫~』

次のページは、12人で見せる2015年度の集大成

「それぞれのスーパーレディの道へ」いよいよ3人の旅立ちのとき


 荘厳な音楽がホールを包み、暫しの間をおいて卒業証書授与式が始まる。ビシッとキメた担任の森先生が、在校生そして卒業生を招き入れる。続いていつものようにど派手な衣装に身を包んだ倉本美津留校長が入場。まずは小等部を卒業する麻生と日髙に卒業証書が手渡される。そしてさくら学院を卒業する、中等部3年が磯野、大賀、白井の順で呼ばれる。胸を張り、堂々と卒業証書を受け取る3人。会場から温かな拍手が贈られる。

 続いて送辞。在校生を代表してマイクの前に立った中等部2年の倉島。送辞の中身を取り出すのに手間取って笑いを呼ぶ。6人も転入生が入ってきた不安感を中3が明るい希望に変えてくれたと、思い出を語る倉島。白井には「年齢は15なのにOLと呼ばれるほど大人だし頭もそこそこ良いけどおっちょこちょい」、大賀には「寝ぼけてメガネケースに麦茶を注いだり、LoGiRLでは珍回答を連発する咲希ちゃん」、磯野には「漢字は読めないし書けないし、普通の人が知ってることもあまり知らない」などと、笑えるエピソードを散りばめながら、3人がいかにさくら学院を愛し、さくら学院を良くするために身体を張って一生懸命だったかを、愛情たっぷりに話してくれた。「次にさくら学院が集まるとき、そこに3人がいないのは……正直想像もつきません」と、涙声になる倉島の言葉をしんとして聞く客席。「今できることは3人を笑顔で送り出すこと。今まで一緒に泣いたこと、怒ったこと、怒られたこと、全部が宝物です。本当にありがとう」とまとめた。

 続いてステージ中央に歩み進んだ磯野、大賀、白井の3人。答辞を読むのは生徒会長の磯野だ。小5でさくら学院に入り、たくさんの経験を積みながら先輩たちの背中を追い、今最高学年としてたくさんの想いを背負って壇上に立っていること、転入した時期も皆バラバラの中3が絆を築いてきたこと、先輩たちから学んだことを胸に、3人で結束して後輩たちに伝えたことを、自分の言葉で堂々と話してくれた。そして在校生ひとりひとりに愛情のこもったアドバイスを贈った。そして最後に応援してくれた父兄たちへの感謝の気持ちを述べ、「それぞれのスーパーレディへの道を目指して顔笑っていきます。離れていても心は一つ。どんなときも父兄さんたちのことは忘れないし、さくら学院で過ごしてきたことは宝物。今まで本当にありがとうございました」と締めくくり、会場は大きな拍手に包まれた。

 続いて倉本校長の式辞。3人が転入した頃のエピソードを交え、3人の成長を称えた。そして「さくら学院を卒業した人は、どんなところへ行っても人々を笑顔にできるスーパーな人物になれるんです。卒業していった全員がそうなりつつあります。自分を信じて自信を持って未来に羽ばたいてください。卒業おめでとう!」と短くまとめた(笑)。

 そしてここで森先生が「ちょっとだけしゃべっていいですか?」とおそるおそる切り出す(笑)。「こんな楽しい気持ちで卒業式を迎えられるなんて、不思議な感覚」と語り始める。「僕はこの3人の悪口をたくさん言いました。何も知らない大馬鹿とか、絡むと危険な爆弾とか、どんくさいOLとか」といつもの調子で笑わせる。「でも正直君たちをひいきしてました。バラエティ志向が強くて俺のことを必要としてくれて、話をよく聞いてくれて、教師冥利に尽きる1年でした。俺なんて今の松井と三吉の10分の1の知名度もない、なんならベビメタの100分の1もない、そんな俺が君たちに偉そうに教えることができてるのは、君たちよりたくさん失敗して、仲間たちとの夢が挫折した結果、君たちに教えられる言葉がたくさん生まれてるなと思ってます。だから君たちもたくさん失敗しなさい。失敗はオイシーです。卒業生もそうだよ、看護師以外ね。看護師は失敗したらダメ」と、笑いをふんだんに混ぜながら、3人に愛のある言葉を投げかける。「俺が思うスーパーレディはひとつだけ。幸せになること。3人には幸せになってもらいたい。長くなっちゃったので続きは明日のLoGirLで」とまとめた。

 ライブ再開。『旅立ちの日に』の合唱が始まる。いよいよ旅立ちの瞬間が迫ってきた。森先生が言ったように、今年は明るく前向きに卒業生を送り出せる、そんな気持ちも確かにある。それは3人のキャラクターによる部分も大きいし、彼女たちが作り上げた2015年度の12人の明るさ、元気さによる部分が大きいと感じる。在校生とハイタッチする3人。大賀の声が、白井の声が涙に震えている。笑って送ろうと思っていた心が潤んでいく。

 磯野が発言する。「最後の曲は私が5年間で一番歌ってきた曲。卒業しても夢に向かって顔笑ります!」。『夢に向かって』が始まる。「いくよー!」。大賀の音頭で父兄たちのかけ声が大きく響く。ステージも客席もノリノリで、明るく楽しく。この雰囲気が、磯野、大賀、白井が望んでいた雰囲気なのだろう。僕たちもその想いに応え、明るく前を向いて3人を送り出したい。倉島が声を発する。「今年度の中3の想いを受け継いで来年度も顔笑ります!」。あの素敵な送辞を読んだ倉島なら、きっと楽しい2016年度のさくら学院を引っ張ってくれるはずだ。「未来へ夢に向かってまっすぐ」そう歌う生徒たちに天井からキラキラと輝くテープが降り注ぐ。3人の門出を祝うメッセージが刻まれている。3人のこれからが、キラキラと輝くモノになることを心で祈った。

 横一列に並んだ生徒たち。在校生から卒業生にメッセージ。岡田は「1年間3人が守ってくれたさくら学院、これからもずっと見守っていて」と涙声、吉田は「6年生になったらもっと顔笑るから応援よろしくね」とはんなりと笑わせる。麻生は堪えられず号泣。「ギュッてしてくれてありがとう、これからもギュッてしてほしい」と涙で声を絞り出すと、白井が駆け寄り、麻生をそっと抱きしめた。磯野と大賀も続き、抱き合う。客席からは拍手が。

 日髙は「1年間3人は色んなことを教えてくれたし、怒ってくれたり一緒に泣いたり、3人と過ごした時間は宝物」と感謝し、倉島は「今の颯良がいるのは中3のおかげ。最上級生になることを受け止められないで悩んでるとき、自分で変わろうとしないと変わらないよと教えてくれたことを大事にして来年度も顔笑ります」と決意を新たにした。山出は「中3と3年間一緒に過ごして、全部いい思い出。中3と一緒に顔笑るから見守っていて」と、来年度の中3を支える気持ちをあらわにし、岡崎は「中3にはたくさん褒められたし、怒られたし、学んだし、色んなことを教育されました」と場内を笑わせ、「さくら学院の伝統を守っていくので安心してスーパーレディを目指して」と続けた。

 藤平華乃は「トークが苦手だったけど、しーちゃんが……」と涙で言葉が続かない。「おかげでトークが好きになりました」と振り絞り、「莉音ちゃんは身長が大きい以上に心が大きくてビックリした」と続け、転入式と同じように小さな身体で磯野を持ち上げて見せた。大賀には「初めてレッスンで泣いたとき、一番最初に来てくれたのは咲希ちゃんでした、ありがとう」と感謝した。黒澤は「中2で入ってきたのに歌もダンスもダメで落ち込んでた私に中3は活を入れたり応援してくれた。来年度は颯良と一緒に今年度の中3みたいな存在になりたい」と決意を聞かせてくれた。

 卒業生の一言。白井は涙声で「父兄さんともみんなとも会えなくなるのは寂しいです」と語り、父兄さんと一緒に応援してるから顔笑ってと続けた。そして最後に「さくら学院は永遠に不滅です!」と決めて大きな拍手をもらった。大賀は「2015年度のさくら学院を経験できて良かった。みんなが教育委員長って言ってくれるのが嬉しくて」とメンバーそして父兄たちに感謝した。そして最後に「希望の花をいっぱいいっぱい咲かせちゃうぞ」からの「グッドオーガニーング!」の自己紹介2連発を父兄たちとバッチリとキメて沸かせた。

 磯野は「泣きそうになったけど泣いてません!」と拍手をもらい「さくら学院の歴史に残ると思います。さくら学院で5年間過ごして悔しかったこともあるけど、それ以上に楽しいこともたくさんあって、色んな経験してたくさんのステージに立ちました。父兄さんやスタッフの優しい顔を見て、舞台監督になる夢が生まれました。苦手なことにも挑戦して夢に自信を持てるようになりたい。さくら学院の舞台監督としてここに戻れるよう顔笑ります」と宣言した。倉本校長が言うように、下級生の頃はボーッとした感じだった磯野が、これだけ自信を持って堂々と夢を語れるように成長するとは。その姿に感動を禁じ得ない。最後に「アイアム、りのーん!」と父兄たちとかけ合った姿は、まさにチャンピオンのような風格が漂っている。僕たち父兄は、安心して笑顔で3人を見送るしかないだろう。

 ステージを去って行く在校生たち。最後まで残った卒業生3人がオフマイクで「ありがとうございました!」と叫び、深々と頭を下げる。2015年度のさくら学院はこうして幕を閉じた。色々な思い出が脳裏をよぎる。ひとつだけ最初から変わりなく思っていたこと。「今年度のさくら学院は絶対に面白くなる!」。転入式で感じたその予感は、現実になった。明るく楽しく前向きで、最高に楽しい2015年度を見せてくれた生徒たち。そしてこんな素晴らしい1年を導いてくれた磯野莉音、大賀咲希、白井沙樹の3人に心から感謝したい。そして3年前、一足先にさくら学院を卒業した同学年の杉本愛莉鈴も含め、中学卒業おめでとう!

 会場の外へ出ると、まだ冷たい風の下で3分咲きの桜が震えている。でもすぐに、満開な美しい桜が人々の目を楽しませてくれるはず。そしていつの日か卒業生たちも、我々を幸せにしてくれるスーパーレディへと成長してくれるはずだ。

さくら学院『さくら学院 2015年度 ~キラメキの雫~』

セットリスト

01 目指せ!スーパーレディー-2015年度-
02 負けるな! 青春ヒザコゾウ
03 Hello ! IVY
04 マセマティカ!
05 キラメキの雫
06 サイエンスガール▽サイレンスボーイ/科学部 科学究明機構 ロヂカ?:Ver1.2
07 すいみん不足/帰宅部 sleepiece
08 ピース de Check! -2015- /購買部
09 ジャカパラ Goo Goo ♡ オムライス/クッキング部 ミニパティ
10 スリープワンダー 
11 ハートの地球
12 未知標 ~ミチシルベ~/中等部3年(磯野莉音、大賀咲希、白井沙樹)
13 未完成シルエット
14 My Graduation Toss
15 君に届け
16 約束の未来
~卒業証書授与式~
アンコール
17 旅立ちの日に~J-MIX~
18 夢に向かって

 
竹崎清彦 アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。

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