みなさん! BABYMETALの2ndアルバム『Metal Resistance』はすでに聴きましたか? このアルバムがなぜ海外でウケているのか? 数回にわけてボクなりの持論を展開してみようと思います。今回はその第1弾!
さて、今回のBABYMETAL『Metal Resistance』ですが、日本のアイドルとは思えない快進撃を続けていますね~。アメリカのビルボードTop 200 Albumsチャートで39位にランクイン! 日本人アーティストがTOP40入りするのは、1963年発売の坂本九さん『スキヤキ』(1963年/14位)以来、53年ぶり。さらに4月5日にはアメリカで超有名なトーク番組『The Late Show』に登場。同番組に日本人が出演するのは初ですよ、初。
では、なぜ『Metal Resistance』は全米でウケたのでしょう? それは以前このコーナーでも書きましたが、BABYMETALのコンセプト“メタル+アイドル”が世界に類を見ないものだったからだと思います。ただ、それだけだと企画倒れになってしまう可能性もある。そのコンセプトを忠実に再現するためにプロフェッショナルなミュージシャンを集めて“神バンド”を結成、アルバム制作や世界ツアーに対応できるようにした、というのは大きいでしょうね。
でも一番重要なのは、結成からの6年間で彼女たち自身が大きく成長したことなんじゃないかな? 先日、NHKの番組『MJ presents BABYMETAL革命 ~少女たちは世界と戦う~』の収録で彼女と再会したんだけど、それを強く感じました。
BABYMETALの3人とはじめて会ったのは5年前に行われた雑誌の対談。ちょうど彼女たちがインディーズでデビューしたばかりのころですね。そのとき、ボクは「音はめっちゃ最高だけど、企画モノ?」って思いました。正直な話。メンバーたちも自分のやっていることを100パーセントは理解していなかったようだし、たぶんボクのことも、ただの外人のタレントだと思ってたんじゃないかな?(笑)。文字通り、この時期の彼女たちは“ベイビー”だったと思うんです。
ところが再会した彼女たちはすっかり変わっていた! みんな成長して、自分の意志と意見をしっかり持っていた。そしてメタルという音楽も理解しているし、パフォーマンスに対しても非常に自覚的だった。いわばプロフェッショナルなミュージシャン/パフォーマーになっていたんです。ただの操り人形ではない。彼女たちは“本物”になっていたんです。
たぶん彼女たちはアメリカやヨーロッパなどの海外ツアーなどを通して、周囲の反響を聞いたり、自分たちがやっていることに対して深く考えるようになったんじゃないかな?
というわけで次回もBABYMETAL『Metal Resistance』の真価について深く解説します!
(構成/尾谷幸憲 協力/佐々木翔)
Marty Friedmanマーティ・フリードマン
ギタリスト、プロデューサー。全米で1000万枚以上のCDを売ったヘヴィメタルバンド「メガデス」に在籍。2004年から日本の音楽シーンでも活躍。ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』への全面参加。ニューアルバム『インフェルノ』(ユニバーサル)が発売中。
新番組『アイドルお宝くじ』にナレーション出演中
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