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UPDATE|2022/05/31

“好きを仕事に”で20年、中川翔子が語る「絶望状態の自分を助けてくれたもの」

中川翔子写真集『ミラクルミライ』(C)中村和孝/講談社

6月8日に芸能界デビュー20周年を記念した写真集『ミラクルミライ』(講談社)を発売する、歌手・タレントの中川翔子。ブログや「しょこたん語」などあらゆるブームを生み出してきた彼女に、これまでの足跡をたどってもらいながら、30周年を見据えての未来の進み方について聞いた。(前後編の前編)

【写真】中川翔子、渾身の写真集カット

──今、「好きなことを仕事に」という風潮が喧伝される中、中川さんはデビュー当時から、ブログを武器にし、絵やアニメ・ゲーム、昭和アイドル、カンフー、ブログ……と趣味性を活かし続け、その足跡残し続けてきました。まさに「時代の申し子」だなと、勝手ながら思います。

中川 ありがとうございます。いやあ、振り返ると本当に不思議な人間ですね。歌うことは大好きだけれど歌だけではこの世界にいられない。だからといってバラエティだけでもダメ。本当に色々な姿、色々なことをやって私なんです。……今思い出しました、デビューしてしばらくしたある日、私が何をしているか分からないからと、某大御所の方に「君、あと3年以内に消えるよ」と言われたんです。

──うわあ、面と向かってその一言は失礼ですね。

中川 いやあ、「やっぱそう思いますよねえ」って悔しくも、本当に「何をしているか分からない変な人」として出てきたので、一瞬で消えるだろうと私も思っていましたから。実際、デビューしてからしばらくは仕事が全くこなくて、これはもう辞めろと言われているのかな?と思ったり(苦笑)。

──そういう「辞めよう」と思う瞬間を救ったのは?

中川 やはり、私の好きなことを続けることでしたね。例えばブログを始めとしたSNSには随分助けられました。

──デビュー間もなくのブログは、イラストをガンガン投稿し、好きな漫画や特撮について熱弁を振るうなど、自由でしたよね。

中川 私が高校生の頃はオタクという生き物は、周りから煙たがられることが多くて。とにかく人前で絵を描こうものなら「キモい」と蔑まれる、そんな世界で。その学校では蔑まれるようなことも、ブログでは好き勝手、自由に発散できました。私、SNSって「好き」や「褒める」ことを楽しむゲームの場所だと思っていて。そうした「好き」を発信する力が、未来の自分を作ってくれたし、未来の自分を助けてくれたんです。ブログやSNSで「大好き!」と書きまくり、発信しまくっていたら、私が会いたかった方……ジャッキー・チェンさん、鳥山明先生、松田聖子さん……もう、全員にお会いできたと思うし、「ポケットモンスター」のお仕事など、想像にも及ばなかったやりたいこともやれて。もう細かいことも含めて、メチャクチャ夢が叶いまくったんですよ。今、20年を振り返ると、きっとその「楽しい」を集めてきたから、今もこうしてお仕事ができているのかなあって。そういう意味では私、昭和ならデビューできていなかったはず(笑)。

CREDIT

取材・文/田口俊輔


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