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UPDATE|2022/05/28

WWEから日本復帰・女子プロレスラーKAIRIが語る「カムバックを後押しした2つの“財産”」

撮影/関根いおん


──円満な離脱だったということですね。アメリカのマットを離れてからは、WWE JAPANのプロモーションサポーターに就任しました。

KAIRI すごく異例のことだと思うんです。ビンス(・マクマホン=WWE代表取締役会長兼CEO)からも「戻りたかったら、いつでもアメリカにまた来てくれ」と笑顔で声をかけていただきました。

──すごい! あのビンス・マクマホンからですか?

KAIRI はい。ビンスはとても仕事熱心で今も最前線に立って現場を引っ張っています。試合によっては選手やスタッフに厳しく指導をしたりピリピリしているときもありますが、私や明日華さんにはいつも優しく声をかけてくれました。

──KAIRI選手は、アメリカを離れる直前に結婚も発表されました。結婚も帰国に影響しました?

KAIRI そこはあまり関係ないんです。主人の仕事はプロレスとは全く関係ないんですけど、最初は主人がアメリカに来てくれるという話も出たんですよ。でも、それよりも私のモチベーションとして「もうアメリカでは十分やり切った」という達成感があったので、帰国を決めたかたちです。

──それにしても、古巣・スターダムへの復帰は本当に驚きました。

KAIRI 帰国してからはあまり熱心にプロレスは見ていなかったんです。ですが、昨年のスターダムの武道館大会に行ったとき、「いつかみんなと闘いたい」という気持ちが自分の心から湧き上がってきたんですね。ただ、復帰するにしてもリングに立つのは約2年ぶり。試合のテンポやルールもWWEとは違い、その辺がすぐに順応できるのか不安もありました。

ただ、試合をしていない間もジムでトレーニングを積んでいたので、身体のコンディション的には問題ありませんでした。あとは、3年間WWEという団体でプロレスを学んできたこと、経験してきたことに自信があったからこそ、復帰を決めたという面もあります。かつては選手会長として低迷期のスターダムを守ってきたという誇りと、WWE女子プロレスの改革期に最前線に立ち、戦い続けてきたという誇り……そのどちらも乗り越えてきたという経験が、自分の大きな財産になっているんです。

──久しぶりに戻ってきたスターダムに変化を感じたことは?

KAIRI 変わったなと思うことは結構あります。もちろんいい意味で。やっぱりWWEでやっていたときも古巣の様子は気になるし、盛り上がっていると聞くと嬉しくなるんですよね。魅力的な選手もどんどん集まっているし、会場も大きくなっているし、素晴らしいことだなと思っていました。
AUTHOR

小野田 衛


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