──外に出たことで熊井さんが気づいた、ハロプロならではの特徴はどういうところにありますか?
熊井 私がハロプロ出身だと伝えると、「ハロプロは別格だよね」って言われることが多いんです。どうやらそれはパフォーマンスが重要みたいです。「生歌なのにパフォーマンスがすごい。しかも芝居もできる。アイドルのトップだ」みたいなイメージらしくて。でも、私たちからするとそれが当たり前のことだったので、あまりピンと来ないんですよ。それに、そもそもBerryz工房って、あまり他のアイドルを意識していなかったんです。「人は人。それよりは自分たちの色を出していこうよ」っていうスタンスでしたから。
──アイドルじゃなくなったことで、見られ方も変わりました?
熊井 アイドルをやっていた頃は「Berryz工房の熊井友理奈」って見られていましたけど、今は「『王様のブランチ』に出ている熊井友理奈」という見られ方がほとんどなんですね。「えっ? アイドルやっていたんですか? しかもハロプロにいたんですか?」みたいな反応が最近はすごく多いです。むしろ私がアイドルをやっていたことを知らない人がほとんどじゃないかな。あとは「Berryz工房? あぁ、そういえば背が高い子がいましたね。それが熊井さんでしたか!」みたいな。「背がデカい子と髪型が変な子がいたのは覚えています」って言われることもあります。もちろん私ともものことなんですけど。
──すごいじゃないですか。熊井さんのアイドル時代を知らないということは、それだけソロとして成功しているという話ですから。
熊井 たとえば主婦の方とか、アイドル時代とは違う層にアピールできているのだとしたらうれしいですよね。驚くのは、毎回『王様のブランチ』オンエアが終わるとSNSのフォロワー数がドカッて増えるんです。『ブランチ』きっかけでBerryz工房の存在を知ったという人も結構いて、「もっと早く聴いておけばよかったです」とか言われると、やっぱりうれしくなりますよ。
──今は割合として女性ファンのほうが多いんですか?
熊井 イベントとかに来てくださる方は、Berryz工房時代から応援してくれている男性が多いですね。だけど番組で私のことを知ってSNSに書き込んでくれるのは、女性のほうが多いんですよ。お客様層が「変わった」というより「広がった」と私は捉えています。
──今までのファンを大事にすると、どうしても新しい路線に踏み切るのが難しくなると思うのですが。
熊井 もちろんBerryz工房の頃から応援してくださっているファンの方はすごく大事です。ただグループを辞めて1人になったからこそ、ちゃんとソロとして巣立った自分を見せていきたいんです。じゃないと失礼ですよ。だって、それぞれやりたいことがあるから活動を停止したわけじゃないですか。それなのにBerryz工房と同じことをやっていたら、「なんのための活動停止?」ってことになると思うし。だからやっぱり進化とか変化を見せていくことが大事じゃないですかね。