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UPDATE|2019/02/16

ハロプロが産んだ歌姫・田村芽実 空白の1年に迫るソロインタビュー

田村芽実



──一方でミュージカルに対しては「やりきった」と思うことはないのでは?

田村 それは、分からない。私、飽き性だと思うんですよ。

──飽き性ですか?

田村 うーん、常に何かを追い求めているイメージなんですよ。以前は「ミュージカルだったら、自分なりの表現ができるはず」と思っていたんです。だけど、与えられた役を演じるということが大切で。もちろんミュージカルで演じることは大好きだし、やっていることに何の不満もないです。ただ「自分なりの表現を求める」という点に関してはミュージカル以外のジャンルでも挑戦したいと思うようになりました。それで、歌手として自分を表現する場所をいただいて。そして、おそらく女優としても歌手としても、今のままじゃ満足できなくなる日が来ると思うんですよ。

──典型的な天才タイプの発想ですね。自分で作ったものをブチ壊しても、進化しようとする。自分の興味がそっちに向いちゃうと、損得勘定で考えられなくなる。

田村 本当にその通り! 一生、自問自答をくり返すんだと思います。もちろん、これからもいろんなミュージカルやお芝居に挑戦していきたいですが、自分の表現の場も大切にしていきたいです。そして、私しか表現できない「田村芽実というジャンル」を作り上げていきたいと考えています。

──しんどい生き方ですね。その自分なりの表現を求める旅は死ぬまで続いていくんですか?

田村 終わりはないでしょうね、たぶん。少なくとも歌はずっと続けていくと思う。私が常に考えているのは、「どうしたら歌で人の心を動かせるのか?」っていうことなんです。本当にそのことばかり考えて生きています。でも、これが実に難しくて! ちょっと掴んだかなと思うと、それの10倍くらい課題が見つかる。その課題をクリアしても、また新たな課題が出てくる。エンドレスなんですよ。歌で人の心を動かすためには、技術だけじゃ伝わらない。もちろん、テクニックはあるにこしたことはないと思いますが。

──求道者のようですね。

田村 観ている人の心を抉りたいんですよね。私って美術館に行くと疲れちゃうことがあるんです。作品の力に圧倒されて、魂が抜き取られたような感じになっちゃう。私は歌や舞台で、観ている人にそういう感情を与えたいと思っているんです。

──さて、デビューシングル『輝いて ~My dream goes on~』がいよいよ発売されますね。

田村 ジャケット写真は背景や衣裳では飾り気のない感じを表現したんですけど、これには「真っ白なところからスタートする」という意味を込めているんです。聴いていただければ、今までとは違う田村芽実を感じていただけるはずです。

──カップリング『Summertime』は田村さんが作詞。作詞に挑戦しようと思ったきっかけは?

田村 今まで他の方のカバーをさせていただいたとき、どこか〝借り物〟みたいな感じがしていたんですね。それで自分の言葉で歌ってみたいなと思って、作詞にチャレンジしてみました。

──そしてミュージカル「マリーゴールド」と浪漫活劇「るろうに剣心」の上演も始まります。

田村 「マリーゴールド」は、ハロプロの「LILIUM - リリウム少女純潔歌劇-」と非常に繋がっている作品なんです。「リリウム」が面白かったという人には、絶対に観てほしいな。(作・演出を手掛けた)末満健一さんの演出は、とても深くて内面の部分までしっかり描ききっているんですよ。「るろうに剣心」は派手なアクションシーンもあるだろうし、他の出演者もいろんなジャンルで活躍している方々ばかりなので、豪華な作品になると思います。

──最後に今後の目標は?

田村 60歳になったときにもずっと歌を歌い、表現すること続けていたいと思っています。歌の深さって、最終的には人生の濃さに比例すると思うんです。だからそのためにも、歌を歌い続け、表現し続けないといけない。あとは、その前にちゃんと長生きしなきゃ(笑)。

(『月刊ENTAME』2018年10月号掲載)



たむら・めいみ
1998年10月30日生まれ、群馬県出身。165㌢。O型。
2011年、ハロー!プロジェクトのスマイレージ(現・アンジュルム)としてデビュー。個性豊かなメンバーの中で一際パフォーマンス面で輝きを放つ。そして2016年5月30日、かねてからの夢であった女優の道を志すため武道館公演をもってグループを卒業。準備期間を経て、2017年5月より舞台に出演。2018年9月にはビクターエンタテインメントよりメジャーデビューが決定。女優としても、歌手としても新たなストーリーを歩んでいる。
Twitter:@Tamura_Meimi


1stミニアルバム『Sprout』(スプラウト)
2019年3月20日(水)リリース予定
限定盤】(CD+DVD)¥4,500(+税)/【通常盤】(CD)¥2,000(+税)
(収録曲)「無形有形」、「歌が咲く」(作詞:末満健一、作曲:和田俊輔)他
*収録内容の詳細は後日発表
*限定盤付属のDVDには、1月19日に開催された「田村芽実ワンマンライブ2019“めいめい白書”」のライブ映像が収録

田村芽実 ワンマンライブ 2019 vol.2 2019年6月30日(日)渋谷 WWW X
開場17:00 / 開演18:00
スタンディング 前売3,500円(税込)/当日4,000円(税込)
(お問合せ)liveinfo@victormusic.jp

詳細や最新情報は公式HPまで。
CREDIT

取材・文/小野田衛


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