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UPDATE|2019/03/18

「まだ見ぬ自分へ」乃木坂46 衛藤美彩の終わりなき道程

『衛藤美紗写真集 話を聞こうか。』(講談社)

3月19日に両国国技館で開催されるソロコンサート、3月31日の大阪・全国握手会をもって衛藤美彩が乃木坂46を卒業する。1期生として加入後、数年の雌伏の時を経て、近年は中心メンバーの1人としてグループを牽引してきた衛藤美彩。2011年の結成時から乃木坂46を取材してきた著者が書く乃木坂46コラム。今回は衛藤美彩が抱え続けてきた“熱い想い”と自然体への変化について。

いまや乃木坂46の柱のひとつとなっているアンダーライブは、8枚目シングル『気づいたら片想い』期間から始まった。2014年4月13日に幕張メッセで行われた「楽天カード×乃木坂46アンダースペシャルライブ」こそ満員にならなかったものの、5月3日の渋谷O-EASTは3公演ともファンで埋め尽くされる。筆者も観覧したが、そこで目にしたのは「乃木坂らしくない」なりふり構わない全力のパフォーマンスだった。

その中で一際輝いていたのが衛藤美彩だった。歌とダンスのクオリティが高いだけでなく、ソロで歌った『ビー玉模様』(『水玉模様』の替え歌)では自ら(アンダーメンバー)最年長であることをイジってみせ、セルフプロデュースで存在感を示したのだ。

その頃の取材で、衛藤は選抜への想いをこう語っている。

「まだ乃木坂46の曲もない頃、まいやん(白石麻衣)とまいまい(深川麻衣)とよく一緒に帰ってて、『いつかは『Mステ』に出られるのかな』なんて言いながら駅の階段を『Mステ』に出てる気分で降りたこともあったんですよ。そんな夢が乃木坂46としては叶ったけど、私は出ることができない。もちろん『気づいたら片想い』を歌うのなら、今の選抜で出てほしいけど、やっぱり悔しくて」(「ENTAME next」)

その熱い想いはファンに伝播した。取材する側の筆者もそうだった。衛藤美彩の言葉や行動はファンや関係者に自分が「伴走者」だと思わせる力があったのだ。熱を携えた衛藤は9枚目シングル『夏のFree&Easy』(2014年7月9日発売)で『バレッタ』(2013年11月27日発売)以来2作ぶりに選抜入りすると、以降は選抜のポジションを守り続けた。

さらに『乃木坂工事中』の「衛藤のプライベート初公開!家飲みでホロ酔い」(2015年5月24日)での「ひとり飲み」キャラや、同年7月の「100本ノック」企画で見せた野球センスなどで個を確立していく。

13枚目シングル『今、話したい誰かがいる』(2015年10月28日発売)で、衛藤はフロントメンバーに選ばれた。直後のインタビューでは「私ががんばったのは諦めずに腐らなかったことだけで、それ以外はすべてファンのみなさんのおかげです」(『OVERTURE 004』)と口にしている。

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