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UPDATE|2019/03/21

『大器晩成』『就活センセーション』中島卓偉1万2千字インタビュー「ハロプロっぽさとは何か?」

アンジュルム『大器晩成』、つばきファクトリー『就活センセーション』など、ハロー!プロジェクトのグループに、数々のライブ鉄板曲を提供してきたミュージシャン、中島卓偉。そんな彼がこれまで提供した曲をセルフカバーしたアルバム『GIRLS LOOK AHEAD』が1週間後、3月27日に発売となる。今回はその発売を記念して『月刊ENTAME』2月号に掲載された2千字のインタビューを大幅に加筆。1万2千字の完全版としてお届けします。中島卓偉が考える「ハロプロっぽさ」とは?



──今回は「ハロプロっぽさとは何か?」というテーマについて、音楽面からたっぷり語っていただこうかと考えています。

中島 ハロプロっぽさか……。それ、意外に難しいテーマかもしれないですよ。

──そういえば以前、卓偉さんは別のインタビューで「そもそもアイドル用の楽曲を書こうとはしていない」と話していました。

中島 あぁ、たしかにそう言いましたね。実際、アイドルに寄せて書いているつもりはないですから。曲を書く段階で大事なのは「いいメロディ」「いい譜割り」「楽曲のポピュラリティ」であって。「〇〇が歌うから、こうしよう」とかいう発想じゃなく、誰が歌っても純粋にいい曲を作るというのが優先順位として一番上。これが基本原則になります。とはいえ、実際の制作過程はケース・バイ・ケースですけども。制作現場には、いろんな考えのディレクター陣がいますし。

──書いた曲が、予想もしない使われ方をしたりもする?

中島 そういうこともあります。たとえばだけど、僕が闇雲に書いて提出した曲に対して「これはJuice=Juiceに使いたいから、もうちょっと譜割りを増やしてテンポもJuice寄りに変えてくれ」って言われたりとかもするし。あるいはあらかじめディレクター陣に渡している曲があり、そこからハマりそうなときに使ってもらうこともあるし。たとえば、ここにあるアイドルグループがいるとします。彼女たちはグループのイメージカラーというものを持っています。そして、そのカラーを支持しているファンもいます。果たして僕が書く曲が、そこから逸脱していいものなのか? あるいは逆にそのグループカラーを壊したいからこそ、あえてスタッフは僕に依頼したのかもしれない。……というように本当にいろんなパターンがあるわけですよ。

──そういうものなんですね。

中島 だから最終的にはスタッフサイドが何を求めているのかっていう話になるんだけど、僕自身が一番やりやすいのは、事前にがっつり打ち合わせをする方法。それもメールとか指示書じゃなくて、対面での打ち合わせがいいですね。そこで相手の要望を細かく聞き出すことができると、作るほうとしてはイメージしやすくなるので。

──では、要望に沿って相当細かく作り込んで提出するわけですか?

中島 そこはわりと微妙なところで、あえてシンプルな状態で出すように言われることも多いかな。ファンの方はご存知のように、ハロプロには優れたアレンジャーの方が何人もいますよね。それぞれに持ち味があるから、ディレクターはおそらく曲の傾向に合わせて振り分けているんだと思います。そこで僕が細かいリズムアレンジまで綿密に作り上げてしまったら、アレンジする側は作曲者のイメージに引きずられちゃうんですよ。なのでデモの段階では、あえて余白を残したほうがいいらしいんです。プレーンな状態で渡さないと、アレンジャーの色が出せなくなるというか。
AUTHOR

小野田 衛

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