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UPDATE|2022/11/09

『舞いあがれ!』永作博美が見せる母親像「大変な生活の中で明るさを保つ凄さ」

『舞いあがれ!』母親のめぐみ役を演じる永作博美(NHK提供)

10月からスタートした朝ドラ『舞いあがれ!』。福原遥さんがヒロイン・岩倉舞を演じる第107作目の朝ドラだ。町工場の町・東大阪と長崎県の離島・五島列島を舞台に、空とパイロットに憧れるヒロインの成長が描かれる。すでに放送が開始されてからひと月近くが経つが、印象的な演技を見せてくれているのがヒロインの母・岩倉めぐみを演じる永作博美さん。自身の母との関係で悩む姿や、家族経営の町工場を支えながら2人の子どもを育てる葛藤、いっぽうで明るく前向きな母親像と、ひとりの女性が持ついくつもの姿を印象的に演じている。

【写真】『舞いあがれ!』でヒロインの母親を演じる永作博美【5点】

これまで数々の名作に出演してきた永作さんを、本作でヒロインの母親役に起用したのはなぜなのだろうか。『舞いあがれ!』の制作統括・熊野律時チーフプロデューサーに聞いた。

「『舞いあがれ!』では、家族の物語をドラマの中心に据えたいというのがあって、そうなると母親像はとても大事になりますよね。特に、今回のヒロインの母親は子育てのこととか家の仕事のことも含めていっぱいいっぱいになっている。そういう方は、ご覧いただいている方の中にもたくさんいらっしゃるんだろうな、と思うんですよ。いまそうだという方もいるでしょうし、過去にそうだったという方も多いでしょう」

家族のドラマを描く中で、ただ単に前向きなばかりではなく、葛藤を抱える母親像の描写は欠かせない。そしてその母親像に視聴者は感情移入して、ドラマの世界に没入する——。それを実現してくれたのが、永作さんというわけだ。

「子育てというのはすごく大変だし、お母さんに負担がかかっている中ですごく頑張っている。でもいっぱいいっぱいになっている。そういう切実なお母さんを、ややもすれば暗くなるところ、明るさも保ちながら、『そうだよね、でもそれはしんどいよね、わかるよ』という部分をきちんと演じられる人ってなかなかいないと思うんですよ。永作さんがすごいなと思うのは、永作さんらしいキュートな感じもキープしつつ、でも日々の生活の中にあるしんどい部分も的確に素晴らしいお芝居で表現していただいていることですね」

ドラマがはじまった直後の第1週と、ヒロイン・舞が五島列島で暮らした第2週までの間で、少しずつ母親のめぐみにも変化が生まれている。

「第1週・第2週と続くなかで、お母さんも変わってきていますよね。それもちょっとずつ。大げさな変化でなく、ちょっとずつ変わっていくところを、すごく丁寧なお芝居でリアリティをもってやっていただいている。ぼくも見ていて涙が出てきちゃうので、ほんとうに素晴らしいと思います」

すでにドラマは進んで舞は大学生に。サークルの仲間や幼なじみの梅津貴司や望月久留美ら周囲の人々との関わりが中心に描かれることになりそうだが、まだまだ“家族”のシーンからも目が離せない。

【あわせて読む】『舞いあがれ!』チーフプロデューサーに聞く、福原遥ヒロインオーディションの裏側

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