井上 党内の意見をまとめる立場はストレスも多いと思いますが、加藤さんの発散の場は?
加藤 実はあまりストレスを感じないんですよね。なぜかと言うと、物事を作り上げていくプロセスに関わる中で、まとめる喜び、作る喜びを感じるからです。
井上 仕事自体が息抜きの場だと?
加藤 そうですね。でも、リラックスできる場という意味では、家族でちょっと食事に行く時間が息抜きになっていますね。朝、少しゆっくりできるときは、妻と大学生の娘2人と近所の美味しいクロワッサンを食べに行ったりします。
井上 クロワッサン! いいですね。息抜きという意味でも、娘さんの影響って大きいんですね。
加藤 家族とはフランクにいろんな話ができるし、20代前後の人たちが何を考えているのか、生活ぶりを聞くだけで、私の仕事にとっても、すごくプラスになりますよ。
井上 今、若い人たちは政治に関心がないと言われていますが、そこは気になりますか?
加藤 若者の政治離れ、関心の低下はいつの時代も言われることです。だから、気にすることはないと思いますよ。むしろ政治の側が、若い人が関心を持ってもらえるように努力していかなければなりませんね。
「取材を終えて」〜井上咲楽の感想〜
総裁選後にポスト安倍として名前が浮上した加藤さん。取材までどんな方なのかドキドキしていましたが、お話してみると、家族の話を穏やかに語っていたのが印象的でした。気になる“ポスト安倍”と呼ばれることについても切り込んでみると、「国会議員になったらみんなそれを望んでいると思います」とにっこり。とても素直で素敵なお答えをもらいました。2019年もポスト安倍の方々から目が離せません!
加藤議員が <新たに選挙権を得た若い世代> に読んでほしい1冊
若い世代におすすめの本と聞かれると……何だろうな(笑)。僕が若い頃によく読んでいたのは、遠藤周作さんの小説ですね。『海と毒薬』や『沈黙』が特に印象に残っているかな。キリスト教を背景にした、“日本人でありながらキリスト教徒である矛盾”といった人間としての葛藤が描かれていて、すごく考えさせられました。今も色褪せないテーマですし、若い世代の方が読んだときに、何かプラスになったらうれしいですね。
いのうえ・さくら
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。A型。
Twitter:@bling2sakura
現在は『サイエンスZERO』(NHK-Eテレ)をなどにレギュラー出演中!
かとう・かつのぶ
1955年11月22日生まれ、東京都出身。
2003年、初当選。安倍内閣では、官房副長官、一億総活躍担当大臣、厚生労働大臣などを歴任。2018年10月の党役員人事で、自民党総務会長に抜擢される。