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UPDATE|2022/11/14

『クレイジージャーニー』最多出演・丸山ゴンザレスが海外の危険地帯を取材する理由

丸山ゴンザレス(C)TBS

内容の過激さでは他の追随を許さない『クレイジージャーニー』(TBS系毎週月曜よる9時)が、3年ぶりに復活を果たした。同番組は「独自の視点を持って世界の危険地帯などを巡るクレイジージャーニーたちが、その特異な体験を語る」というコンセプトだが、そこで“エース格”の扱いを受けているのが丸山ゴンザレス氏だ。現在、放送中の南米コカイン密輸ビジネス取材旅では、危険極まりない麻薬カルテルの実態に肉薄。エッジの立ちまくったレポート内容に戦慄を覚える視聴者が続出している。番組との関わり方を語った記事前編に続き、後編ではベールに包まれたこれまでのキャリアについて振り返ってもらった。

【前編はこちら】丸山ゴンザレスが語る『クレイジージャーニー』ゴールデン復活「攻めの姿勢に感心」

【写真】番組MC松本人志に“お土産”を渡す丸山ゴンザレス

「丸山ゴンザレスという名前を知っている9割以上の人は、『クレイジージャーニー』がきっかけだと思うんです。だけど僕は流れでテレビに出ただけで、もともとは出版畑の人間ですから。この『エンタメnext』は徳間書店ですよね? 僕は同じ徳間書店の『アサヒ芸能』で記事をよく書いていたんですけど、その頃に裏風俗とかの潜入取材をやっていたときと基本的には変わっていないんです。

当時だって実話誌の周辺には実際は店に行っていないのに適当なヨタ記事を書く奴は大勢いました。そういうときは『こっちは苦しい思いしてガチ潜入しているのに、ふざけるなよ』って怒りが沸くんだけど、今にして思うと実直に取材する習慣がついてよかったなと。結局、全部が繋がっているんですよ」

生き馬の目を抜く出版業界で紆余曲折を繰り返していた丸山氏だが、尊敬するライター・吉田豪氏の「割に合わないところにはライバルがいない」という発言を聞いて、「だったら俺は誰も取り上げない海外の裏ネタを追うことにしよう」と自分の進む道を確信した。

「当時『海外のヤバいことは詳しいよ』みたいな自慢話をする人は結構いたんですよ。ゴールデン街に出入りする怪しげな出版プロデューサーとかね。でも、そのうちにこっちが取材して知識を蓄えてくると、そいつらの言っていたことは全部嘘だってわかるんです。それで改めて聞くと、『実はフィリピンに行ったのは15年前で……』とか言い訳を始めて頼りにならない。そんなふうにインチキなフカシ野郎ばかりだったからこの分野ならやっていけるなという妙な自信になりました」

ガチで海外の潜入取材をするには、それなりにお金がかかる。雑誌のギャラだけでは割に合わないのが現実だ。折からの出版不況もあって他のライターや編集プロダクションが海外裏ネタ取材から撤退すると、ますます丸山氏はこのジャンルのトップランナーとなった。そうした中でTBSの『クレイジージャーニー』から出演依頼が届き、その相乗効果として雑誌や書籍でさらに活躍するようになった……というのが丸山氏の簡単なキャリアである。

AUTHOR

小野田 衛


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