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UPDATE|2019/04/23

「拝啓 長濱ねる様」大森靖子

ミュージシャン・超歌手の大森靖子が毎回、気になる女の子たちをピックアップしてその魅力を紹介する『月刊エンタメ』の連載「もはや!絶対彼女」をwebでも公開。第1回は先日欅坂46卒業を発表した長濱ねるさんについてじっくりと語ります。



長濱ねるさんの欅坂46卒業が発表された。

ねるちゃんはとても優等生で、想像力と創造意欲のある優等生で、優等生だからって誰かの気持ちを無視したり優位を押し付けたりしない優等生で。

ねるちゃんの憧れのアイドルは元乃木坂46の伊藤万理華さんと、おそらく建前的にあまり発言することはなくなったが、初期にはLADYBABYの金子理江ちゃんが好きで同じ美容室に行ったと発言していた。

その2人とも、自由で、人間に対して分け隔てなく接することができる、素晴らしい女の子で、この2人がいなかったら一体何人の女の子が女の子をすることに対して臆病だっただろうと思う前衛的でアーティスティックな存在である。

その2人に憧れ、こんな子が女の子を貫くなんて最強すぎるなというねるちゃんが、「アイドルになりたい!」と何のてらいもなく笑ったその地元の長崎で撮影したVTRを『欅って、書けない?』という番組で見たときに、私は恋をした。

愛する要素しか見当たらないこんな子が、愛を求めてくれることの必然性。「愛されたい」という欲動のまま生きてくれることに興奮した。

学校でも優等生だったねるちゃんは、なんだかんだ言って先生は問題児の方に手をかけるので、そういう子に嫉妬していたとブログに書いていたことがある。

欅坂46というグループは、この問題児的な感情を拡張して表現している部分があり、メンバーが秋元康さんにインスピレーションを与え、そうして完成した楽曲もまた若いメンバーの心に影響を与え、禍々しくも美しい、DOPEなアイドルを作り上げた。

それは私の理想にも少し似ていて、なおかつ私の活動より途方もなく大規模で、幾つの孤独を肯定しているのだろうと羨ましくもなり、「私の活動って意味あんのかな?」まで思った。

そんなグループの中に長濱ねるという人間がいることが、どれほどの救いであったか分からない。 問題児的な感情の渦中で、その感情に嫉妬しながら抱擁する存在が光っている。いつだって可愛くて、笑顔だった。何があっても笑顔でいてくれた。アイドルとしてもやはり優等生だった。
CREDIT

文/大森靖子 構成/河上拓

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