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UPDATE|2019/04/13

少年院出身アイドル・戦慄かなのの世界一可愛い妹に聞く「壮絶な過去」アナザーストーリー

頓知気さきな 撮影/佐賀章広



──でも、すごいじゃないですか! 2人暮らしをスタートしたのは、femme fataleの活動だけで生活できているということですよね。

頓知気 一応バイトも籍は置いているんですけど、アイドル活動が不定期なのでなかなか出ることができなくて……。でも事務所に所属しないで自分たちだけで運営しているので、なんとかやっていけている感じです。femme fataleの収益は一度お姉ちゃんに入って、私はお小遣い制なんですが、そもそも運営がお姉ちゃんだし、ブッキングしているのもお姉ちゃんだからそれも当然だと思うんです。家賃も光熱費もお姉ちゃんが全部出してくれていますし。でも、だから経済的にも私はお姉ちゃんに寄りかかっている状態なんです。

──となると、そういう金銭的な独立権を獲得する意味でもfemme fataleや頓知気さきながブレイクしないと困りますね。

頓知気 そうなんです。まぁでも、お金の面よりは精神的な面で独立したいかな。今は私がやる仕事も全部お姉ちゃんが決めているんですよ。私への仕事依頼も全部お姉ちゃんに届くシステムになっているし、それをやるかどうかを決めるのもお姉ちゃん。

──そうか。今回は戦慄さんのお眼鏡にかなって、無事ここに掲載されることになったんですね(笑)。

頓知気 だから私、たまに考えちゃうんです。「なんで大学行かなかったんだろうな?」って。さっきも言ったように当時の私は精神的にショックなことがあって、とりあえず休みたいと思っていたんですね。言ってみたらモラトリアム期間みたいなもので。ところが、お姉ちゃんときたら暇というものを一切許さないんです。1日でもオフがあったら、「ダンスレッスンに行け!」「ボイトレ通え!」って予定をがっつり詰め込んできるので。本当にハンパじゃないんですよ。「今日は〇〇と××」みたいなスケジュールをみっちり書かれて、「これをクリアすること!」って、ものすごい勢いでまくし立てるんです。1日ボーッとしているとか、お姉ちゃんの生き方からしたら絶対許されないことなので。

──自分にも厳しいタイプ?

頓知気 めっちゃ厳しい。ストイック。それで同じことを私にも強いてくるんです。私は1日どころかしばらくボーッとしていたいのに、生き急ぐようにして常に全力疾走させられていますから。いや~、本当に困ってます(笑)。もう今は工場のライン作業とかで頭を無にして働きたい気分。

──しかし話を伺っていると、「芸能界でのし上がってやるぜ!」といったガツガツした感じが皆無ですよね。

頓知気 そうかも。私、承認欲求とか向上心もそんな強くないですし。東京からも離れたいですね。東京って建物が四角いじゃないですか。それだけで目も気持ちも疲れちゃいますよ。地方であまり人と関わらず、のんびりと過ごしたいですね。

──戦慄さんはタワマンの最上階に住みたいタイプじゃないですか?

頓知気 絶対そうでしょうね。向上心の塊だから。もしくは成城あたりに一軒家を建てるという野望を持っているかも(笑)。

──femme fataleとして今後の目標は?

頓知気 ユニットを組んだのが去年の10月末だったんですよね。だから、まだ方向性を模索しているところもあるんです。でも、どちらかというと話題性重視でメディアに取り上げられるというより、ライブで集客できるユニットを目指したいですね。このへんの意見も、お姉ちゃんの受け売りなんですけど(笑)。……ただ真面目な話をすると、お姉ちゃんって実は歌もダンスもすごく上手なんですよ。そういうところに、もっと注目が集まればいいなとは思っています。

とんちき・さきな
2000年3月6日生まれ、大阪府出身。趣味は油絵、イラスト、編み物、刺しゅう。実の姉戦慄かなのと「femme fatale」を結成。姉が作詞、作曲、振付を妹が衣装を担当する完全セルフプロデュースアイドル。Twitter:@tonchiki_doll
CREDIT

文/小野田衛 撮影/佐賀章広


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