──ご自身のアイドル人生を振り返ったとき、ターニングポイントとなったのはどこになりますか?
石田 どうだろう。いろんなことがあったからなぁ……。でも一番は15年にやった舞台「TRIANGLE-トライアングル‐」かもしれない。
──たしか工藤遥さんとのダブル キャストでしたよね。
石田 そうです。舞台でポスターの真ん中に写るのは初めてだったし、ミュージカルだから当然がっつり歌もあるし、プレッシャーがハンパじゃなかったんです。歌の数だけでいえば、歌姫って呼ばれる小田さくらちゃんが1曲なのに対し、私は実に8曲! ほぼ私の歌だけで物語が展開されると言っていいんですね。で、またちょうどその時期は歌に関して個人的にスランプだったんですよ。「どう歌えばいいのか正解がわからない」って頭を抱えていて。
──そのとき、メンバーやスタッフ に相談はしなかった?
石田 私、そういうのダメなんですよね。1人で抱え込んでいました。でも、必死でした。大げさじゃなく、夜中も寝ないで練習していましたし。ただ家だと家族も寝ているから、 ベランダに出て1人で歌うんです。まぁそれだと近所迷惑じゃないかというツッコミもあると思うんですが(笑)。昼も近所の公園で歌っていましたね。それで気づいたのは力んで歌うと崩れるけど、「♪フフ〜ン」って感じで軽く歌うと上手くいくんです。さらに走りながら歌うと、無駄な力が抜けるし、心拍数も上がった状態を試せることも発見しまして。ずっとそんなことをやっていたら、通りすがりの人たちから奇人を見るような視線を浴びました(笑)。
──本番はどうでした?
石田 初日のカーテンコールで大号泣しました。ステージ上でも泣き、舞台裏でも泣き、どぅー(工藤)やまーちゃん(佐藤優樹)に「おつかれ!」って抱きつかれて。
──石田さんにとって、今の目標や モチベーションはどういうところにあるんでしょうか?
石田 私、もともとテレビに出たい人だったんです。もちろん今でもその気持ちは消えていないですけど、今のモーニング娘。が目指すのはそこだけじゃないかなと思っていて……。たとえば去年は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」に出演させていただき、そこですごく刺激を受けたんですね。やっぱり新しいことを始めるのってドキドキしますよ。今はハロプロ20周年ということで歴史の重みを感じていますけど、それと同時に新しいことにチャレンジするのもモーニング娘。らしさなんじゃないかなって思います。
(『OVERTURE』018号掲載)
▽石田亜佑美(いしだ・あゆみ)
1997年1月7日生まれ、宮城県出身。O型。10 期メンバーとして2011年9月29日にモーニング娘。に加入。