これが平成最後のHKT48のコンサート!
しかも、HKT48単独では初のスタジアム公演。最高の置き土産を全員が汗と笑顔で受け止める。後半パートのサプライズは松本人志登場や、まゆゆ降臨など、涙とは無縁のものばかり。“明るく、楽しく、ひらすらかわいい”HKT48コンサートのエキスがギュッと詰めこまれた16曲。もう、このパートだけを抜き出しても1本のコンサートとして成立するだけの濃密さだった。
とはいえ、卒業コンサートである。どうしても別れの瞬間はやってくる。
最後の曲の前に、指原は「みんながあんまり寂しい、寂しいって言うから……」と前置きをして、これからのHKT48へのプレゼントを発表。それは新公演『いま、月は満ちる』を指原が全曲、書き下ろすというビッグサプライズ。これにはステージ上のメンバーが全員、うれし涙を流した。
今年11月26日に8周年を迎えるHKT48だが、いままでオリジナル公演はひとつもなかった。劇場公演は48グループ最大の基盤であり、オリジナル公演はメンバーにとって最高の財産。それを味わえないまま卒業していくメンバーの姿に心を痛めていた指原は、みずから公演を書き下ろし、メンバーにプレゼントすることを決めた。
来年、待望の新劇場がオープンする。メンバーは「そこでオリジナル公演がいただけたら最高なんですけどねぇ~」とよく口にしていた。それは指原の耳にも入っていただろうし、まだ1曲しかできていないというが、来年までに完成してくれれば、こけら落としを飾ることができる。その日こそがHKT48の新しい出発点になるのかもしれない。
本編のラストは「本当はここにいてほしかった3人への想いを込めて」と『今、君を想う』を歌う。
ここでいう3人とは韓国で活動中のため参加が叶わなかった宮脇咲良と矢吹奈子、そして長期休養中の兒玉遙を指す。宮脇と矢吹からはビデオメッセージが届き(録画されたものなのに宮脇は大泣き)、別撮りした歌をステージ上の指原とデュエットする演出があった。そして、この曲の最中にビジョンでは兒玉遙の写真も大きく映し出された。
みんな、そこに、いた。
指原らしい「HKT愛」の示し方だった。