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UPDATE|2019/04/30

1人じゃないから 異色の新人アイドル金澤有希「それでも私がアイドルを続ける理由」(後編)

SUPER☆GiRLS 金澤有希 撮影/河野陽太

avexに所属するアイドルグループSUPER☆GiRLS。そこに昨年加入した異色の新人がいる。金澤有希、25歳。新人ながらグループの中で最年長という年齢もさることながら異色なのはその経歴。アイドルのキャリアをスタートしたのは小学5年生。地元苫小牧を拠点にするグループを皮切りに、AKB48研究生、GEMリーダーを経て今回のSUPER☆GiRLS加入となる。まさに漂流アイドル。なぜ彼女はこうまでしてアイドルにこだわるのか? その疑問に答えた彼女のロングインタビューを3回にわたってお送りする。3回目の今回はいよいよ「25歳・新人アイドル金澤有希」の話。


中編から続く
──アイドル復帰したはいいけど、その舞台はAKB48でなく、まさかのiDOL Street。年齢的には、この時点で19歳でした。アイストに入ってからも苦労が続いたと伺いましたが。

金澤 キツかったです。タッチ時代とは違う意味でキツかった……。まず、GEMに入る前の(デビュー候補生である)ストリート生時代。このときはAKB48時代の同期がどんどんテレビに出るようになっているのを観て、もどかしい気持ちを抱えていたんです。「私、何やっているんだろう……」って。自分で選んだ道だから文句は言えないけど、こっちは候補生としてゼロからやり直しているところだったから、ものすごく差が開いたような気がしました。ストリート生として活動していると、どうしても昔の自分と比べてしまうんですよ。「やっぱり過去には勝てないのかな」って打ちひしがれていました。

──覚悟していたとはいえ、落差に落ち込むでしょうね。

金澤 そんなとき、「ストリーーーーーグ」というイベントが開催されたんです。これは全ストリート生が競い合うものだったんですけど、全国を5つのブロックに分け、私は札幌所属(e-Street SAPPORO)。チーム戦であると同時に、個人戦としても優勝を争うシステムなんです。ここで私は1位になるしかないと心に誓いました。じゃあ、どうやって1位を獲るのか? 私は小5のときから歌もダンスもやってはいたけど、実はきちんと先生から習ったことがほとんどなかったんですね。だから、そこでは勝負できないと思いまして。

──パフォーマンスに関しては、アイストって最初からレベルが高いメンバーが多いですよね。経験者ばかりだし。

金澤 そうなんです。それでも北海道には、エイベックスが運営しているエイベックス・アーティストアカデミーがなかったので初心者が多かったんですけど、他の4地区はゴリゴリできるアカデミー生揃いで……。正直、見ているだけでもつらかったです。ただ私にもチャンスがあると思ったのは、「ストリーーーーーグ」はファンの人が投票で1位を決める方式だったんです。だったら、これまでのアイドル経験をフルに活かすしかないなと。具体的にはファンの方へのアピールとか、そういうパフォーマンス以外の部分ですよね。

──これならアカデミー生に対しても勝算があるかもしれない。

金澤 そこで私がまず取り組んだのは、アイドルをもう一度学び直すこと。ハロプロさんだったり、ももクロ(ももいろクローバーZ)さんだったりの動画を観ながら、自分なりに各グループの魅力を細かく研究してみました。そのうえで自分はどういうアイドルになりたいのか、改めて考え直してみたんです。純粋なパフォーマンスだけじゃ勝てないと思ったから、自分で書いたネタでコントとかもやりましたし、とにかく持っているもの全部を出し切りました。そうしたら、結果としてMVPをいただくことができました。やっぱり自分が本気で努力すれば、ファンの方は見ていてくれるんだなと。自信に繋がりましたね。

AUTHOR

小野田 衛


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