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UPDATE|2019/04/30

1人じゃないから 異色の新人アイドル金澤有希「それでも私がアイドルを続ける理由」(後編)

SUPER☆GiRLS 金澤有希 撮影/河野陽太


──そのGEMですが、精力的に活動していたものの、惜しまれつつも2018年3月31日に解散してしまいます。

金澤 辛かったですね。アイドルグループの解散が相次いでいた時期ではあるんですけど、GEMの場合は自分たちの意志で解散したわけではないですから。たしかに伸び悩んでいたというのも嘘ではないけど、GEMILY(GEMファンの総称)に対して申し訳なくて……。メンバーは夜な夜なグループ電話をしながら泣いていました。特に私の場合、「リーダーの自分がもっとしっかりしていれば……」という気持ちもありましたし。これは今でも胸を張って言えるんですけど、私にとってGEMは最強で最高のアイドルだったんですよ。だからこそ……本当に悔しかった。

──さて、いよいよ問題はここからです。GEMの解散が決まった後、なぜSUPER☆GiRLSの加入へと繋がったんでしょうか?

金澤 順を追ってお話すると、まず最初に考えたのは「芸能の道を続けるか?」ってことなんです。ある意味、一区切りにするチャンスでもあると思いました。というのも私の場合、小5からずっと芸能をやっていたものだから、青春も何もあったものじゃないんです。友達と遊ぶことも全然なかったし、修学旅行にも行ったことないし……。だから私、年下のメンバーに伝えているんです。「修学旅行だけは何があっても絶対に行ったほうがいいよ」って。それは自分が後悔しているからなんですけど。いずれにせよ、友達と一緒に旅行したりとか、そういう当たり前のことに対する憧れがありました。

──なるほど。様々なことを犠牲にして、アイドル活動は成り立っていますからね。

金澤 続けるか? 続けないか? そこで決め手になったのは、やっぱりファンの方の存在なんです。GEMの解散というのは、ファンの方が望んだものではもちろんない。それなのにここでファンの方を置き去りにしてしまったら、過去の自分と同じになると思ったんです。正直、AKB48の活動を辞退した後の、段ボール4箱が頭によぎりました。

──芸能界で続けるとしたら、それはどういうパターン?

金澤 当初考えていたのは、個人での活動。具体的な活動内容は、まだイメージできていませんでしたけど。でも、アイドルという選択肢は考えていませんでした。実はこの時期、他の事務所のアイドルさんから「一緒にやらない?」ってお誘いもいただいたんです。だけど、私はそれを丁寧にお断りしたんです。それくらいアイドルからは距離を置く気でいました。

──あぁ、そんなこともあったんですね。

AUTHOR

小野田 衛


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