金澤 3月にGEMが解散すると、そこからは個人として舞台に2本出演させていただきました。そして夏が終わる頃、SHOWROOMで映画出演を懸けてバトルするというイベントがあったんです。一種の人気争いですよね。自分的には、ちょっとここで試してみたかったんですよね。それはファンの人を試すということではもちろんなく、私がファンの人のためにどれくらい頑張れるか、それを試すという意味です。いざ始まってみるとファンの方が一生懸命応援してくれて、それに応えようとする自分も一生懸命。ファンの方のことを想うとどこまでも頑張れる自分がいて、本当に睡眠なんていらないって思いました。
──あくまでもファン第一主義なんですね。
金澤 でも、それだけじゃないんです。たとえば個人で活動しているときのマネージャーさんが、今、スパガも担当してくれているんです。スタッフさんも一緒に歩んでくれるし、ファンの方も一緒に歩んでくれる。自分1人じゃないんだって考えたら、人生でこんなに素晴らしいことは他にないなって、心からそう思えたんです。青春がない？ 旅行に行けない？ それがどうしたっていう話ですよ。旅行なんて、いつだって行けるじゃないですか。それよりはファンの人や周りのスタッフさんに少しでも貢献したい。そう思っているときに目に留まったのが、SUPER☆GiRLSのオーディションだったんです。「これだ！」って思いましたね。
──「これだ！」ですか（笑）。芸能界で続けるにしても、アイドルに戻る気はなかったという話もありましたが。
金澤 話は「AKB48か？ iDOL Streetか？」っていうところにさかのぼるんですけど、そこで自分の中で決定打になったのはSUPER☆GiRLS『1,000,000☆スマイル』でした（※中編参照）。結果的に私はGEMのメンバーになりましたが、スパガがあったからこそiDOL Streetを選んだというのは結構大きかった。逆に言うと自分がここでスパガに入ったら、あのときiDOL Streetを選んだ意味がようやく出てくるというか。ただ一方で先ほどもお伝えしたように自分の中でGEMは最強のグループだったから、「そこを超えられるのか？」という葛藤もありましたね。自分のアイドル人生をGEMで終わりにするというのも、GEMILYに対する誠実さなのかなとも考えましたし。
──そこは難しいところですね。
金澤 だけど「会えるのと会えないので、どちらのほうがいいのか？」って話になると、おそらくだけどファンの方からすると会えたほうがうれしいんじゃないかと。これが第一の考え。それとスパガに入ったら苦労は絶えないだろうけど、これまでのアイドル人生もいろいろありすぎたから、なんでも乗り越えられる気はしたんですよ。氷点下15度で手袋が溶けた時代に比べたらマシじゃないかなって（笑）。どん底なんて慣れっこですから。
