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UPDATE|2019/05/25

ミスター・クリーン 岡田克也衆議院議員に聞く「枝野総理大臣の実現可能性」【井上咲楽の政治家対談】

左から岡田克也、井上咲楽 撮影/松山勇樹


井上 政権交代可能な野党を作るのに必要なものは何ですか?

岡田 今までの最大の問題は代表がいてもまとまりがよくなかったこと。意見が出るのはいいことだけれど、最終的にまとまらない。これが自民党との違いですよね。それが今回、枝野さんが立憲民主党を立ち上げ、強い求心力を持っています。これを大事にして、みんながリーダーを支えていく。そういう党にしないと、国民の信頼は得られない。

井上 枝野さんには最終的にどうなってもらいたいですか?

岡田 枝野さんは野党第一党の党首ですから、もちろん総理候補です。ポスト安倍は枝野だ、と。苦しい中で党を立ち上げて、どうなるか分からない中でも国民が支持をして野党第一党になったわけですから。十分に資格があると思っています。

井上 すごく基本的な質問になってしまうのですが、自民党の一強状態が続いているなかで、政権交代が可能な強い野党を作る意義はどこにあるんでしょうか?

岡田 僕は1990年、36歳のときに自民党から出馬し、初当選しているわけですが、3年後に離党しました。与党である自民党を出るのは人生最大の決断でしたが、根本にあったのは「一党独裁は良くない」という思いです。当時は社会党が野党第一党でしたが、およそ政権を担当しようという意欲はなく、野党第一党である現状に満足していた。それじゃダメだろうと我々が自民党から出て、野党と一緒になることで大きな塊を目指そう、と。それが当時の新生党であり、その後の新進党でした。

井上 その延長線上に民主党時代の政権交代があるんですね。

岡田 与党となった時代も基本的な考え方は変わっていませんでした。与野党が切磋琢磨して、政権交代が当然という状態にならないといろいろな問題が出てきます。例えば、政権がしょっちゅう変わるとなれば政府は隠し事ができません。野党が与党になったとき、前政権の残した文書をすべてチェックできますからね。また、官僚も与党と野党の入れ替わりが当たり前になれば、今みたいに一方的に自民党政権におもねることもなくなる。そういう意味でも政権交代が可能な状態が必要なんです。

井上 政治家として大事にしているのは、どんなことですか?

岡田 一番大事なのは信用だと思っています。政治の世界で言えば、政治家同士の信頼関係です。幸い、自民党、公明党から共産党まで、「岡田は嘘をつかない」「岡田は裏切らない」とそう思ってもらえている有力政治家との関係が築かれています。これは大きな財産。もし、その場その場で取り繕うようなことをしてきたら、そういう信用は築けません。これは何も政治の世界に限らず、大切なことだと思います。
CREDIT

撮影/松山勇樹 取材・文/佐口賢作


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