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UPDATE|2019/05/23

AKB48グループ卒業生 大木亜希子が語る「元アイドルという名の十字架」

『アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア』の著者 大木亜希子。自身もSDN48卒業生 撮影/松山勇樹


──今回、取材相手の8人を選んだ基準のようなものはあるんですか?

大木 AKB48グループを卒業した後、芸能界で活躍されている方もいるんですが、今回はアイドルを経験したけどその後、別の職種で腹をくくって頑張っている方。アパレル店員やバーテンダー、ラジオ局員、保育士っていう一般の社会にもリンクする方を選びました。

──本の最後に元AKBカフェっ娘でAKB48になる夢を叶えられず、ソログラビアアイドルとして活動していた小栗絵里加さんが載っているのも印象的だったのですが、あの並びには意図が?

大木 ページが後ろになるにつれて大人の女性としての濃度が高くなるというのはあるかもしれないです。小栗さんもカフェっ娘の同期の篠田麻里子さんはスターになるんだけど、自分はAKB48に合格できずに、“世界最小グラドル”を名乗り体を張ったパフォーマンスをしたり、売れるためにはなんでもやるんです。まずその苦労を世の中の人は知らないと思うんですけど、そんな彼女がアイドルをやめた後、バーテンダーとして寝る間も惜しんで勉強して。最初はお客様にも「元アイドルなんでしょ?」って言われたりするんですけど、ソムリエやテキーラマエストロとかいろんな資格をとって、お客様からのモルトの知識を試すような質問にも返せるようになるんです。それが素晴らしいなって思って。小栗さんの場合はAKB48に入りたかったけど、入れなかったというのが一番の十字架だと思うんです。でも、それでも覚悟があれば人生どうにでも転がせるんだっていうのを最後にしたかったんです。

──本の並び的には小栗さんの一つ前、元SDN48の三ツ井裕美さんも「一番大切な夢を諦めたその先にも希望がある」というのが1つのテーマになっているのかなと思ったのですが。

大木 夢を失ったり、結局人生思うようにならなかったり、人生って綺麗ごとでは収まらないと思うんです。それはアイドルだけではなくて、ミュージシャンになりたくて路上ミュージシャンをしている方だってその夢が叶うかどうかなんて分からないじゃないですか。でも、一回夢を追いかけた過去があって今は会社員やっています、それで全然いいんじゃないかと思うんです。

──オーディションを勝ち抜いてきたアイドルたちって元々モチベーションが高い人の集まりではないかとも思うんですが、いかがですか?

大木 私は、傷つくことで魂の純度が上がっていったんじゃないかと思うんです。

──と言いますと?

大木 今回、本の帯を作家の燃え殻さんに書いていただいて、「誰もが無傷じゃない。それでも誰も下を向いていない」って言葉をいただいたんですが、まさにその通りで。傷つくことで魂の純度が上がっていくというか。すごく愛している仲間と、選抜システムがある以上戦わなければならないこともあるし、自尊心が傷つくこともたくさんある。その都度、鉄のように純度が上がって強くなっているんじゃないかなって思います。

アイドル、やめました。
本に登場する(左から)小栗絵里加さん(バーテンダー、元AKBカフェっ娘)と三ツ井裕美さん(振付師、元SDN48)

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