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UPDATE|2019/05/29

全てはHKT48のために…指原莉乃が福岡・感謝祭に散りばめた未来へのヒント

「指原莉乃11年ありがとう!大感謝祭」(C)AKS


7枚目のシングル『74億分の1の君へ』についての取材をしていたとき、空き時間にメンバーと「指原がいなくなったら、HKT48はどうなるんだろう?」という話になった。当時から主力メンバーのあいだには、明日、そういう状況になっても不思議ではない、という危機感は確実にあった。

センターを務めていた兒玉遙は「そろそろ次の世代にセンターを譲って、私はサポートする側に立つべきなのかもしれない」と言った。なかなかセンターの座を掴めずに悪戦苦闘した彼女だったが、4曲連続でセンターを務めた上で出した結論。

その直後に収録されたなこみく(矢吹奈子&田中美久)との対談で「私、なこみくのセンターをそろそろ見てみたいな」と本人たちに直接、伝えたら、突然のことになこみくは「えっ、えっ……」と困惑し「まだ私たちには無理です!」と固辞した。結局、この次のシングル『最高かよ』では松岡はながセンターに大抜擢され、HKT48は新しい時代を迎えることになる。

そして宮脇咲良と話しているうちに、ひとつの結論が出た。

「私たちだけでコンサートをやって、そこにさっしーをお客さんとして招待するんです。私たちのコンサート、見てください! どうですか? もう安心ですか?って。そこで納得してもらえたら、さっしーは安心して卒業できるし、きっと、それが私たちにできる最高の恩返しなんでしょうね」

卒業までに結局、そういうシチュエーションはやってこなかったが、この大感謝祭のステージでついに実現したのだ。しかも、1曲目に披露したのはなこみくがはじめてセンターを務めたシングル曲『早送りカレンダー』。さっしーにコンサートを見てもらいたいと言った宮脇咲良も、なこみくのセンターを見たいと言った兒玉遙も、なこみくのメンバーである矢吹奈子はここにはいない。でも、間違いなく3人の「意志」はそこにあった。

はじめて客席からHKT48のステージを観覧した指原は「なんか感動しちゃったよ。ちゃんとやってんじゃん!」と褒めた。客席に指原を残したまま、メンバーはファンに向かって「HKT48です!」と挨拶をした。この瞬間、正式に指原莉乃はHKT48から離れることができた、と感じた。親離れの瞬間、である。

だが、感謝祭はまだはじまったばかりだ。このまま延々と指原が観客のままでいるわけにもいかない。「アイドルは卒業したから、一般人としてここに立っている」という指原は、今日の感謝祭の趣旨を説明した。

題して『指原莉乃ベストセレクション』。彼女がAKB48に加入した2007年からの11年間を時系列で辿るセットリスト。あくまでも指原莉乃のアイドル史を振り返る企画ではあるが、前半はAKB48の楽曲がメインになるので、必然的に「平成アイドル黄金時代」を振り返る贅沢な企画になる。

とはいえ、指原莉乃はすでに「元アイドル」である。他のメンバーが当時の衣装を纏ってヒット曲を歌い、踊る中、指原は白を基調とした私服風のファッションでそこに立っていた。
AUTHOR

小島 和宏

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