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UPDATE|2019/05/29

全てはHKT48のために…指原莉乃が福岡・感謝祭に散りばめた未来へのヒント

「指原莉乃11年ありがとう!大感謝祭」(C)AKS


そしてサプライズゲストはいなかったけれど、サプライズ発表が2つ。

ひとつは5年半ぶりになる『九州7県ツアー』の開催。7県ではあるが、福岡県は3会場で開催するため全9会場を巡ることになる。これまで明確な目標が来年の劇場オープンしかなかったため、それまでの1年をいかに過ごすかに不安を抱いていたメンバーにとって、7月から10月までのツアーが決まったことは大きな励み。

正直、観客動員に不安がないと言ったらウソになるが、それもまた新生HKT48を築きあげるためには必要な試練。思えば「HKT48はとにかくライブが面白い」という評判が流れたのは、5年半前の九州7県ツアーがきっかけだった。1曲目にモーニング娘。の『ザ☆ピ~ス!』を歌ってド肝を抜いたのは、もはや伝説だが、この日のセットリストにこっそり『ザ☆ピ~ス!』が入っていたのもまた、指原らしい仕掛け。

指原のアイドル史を振り返っているように見せて、そこにはHKT48が歩むべき近未来のヒントがたくさん盛りこまれていた。それをメンバーがどう受け取り、どう活かすかもツアーの大事なポイントになりそうだ。

もうひとつのサプライズは指原がプロデュースを約束していたオリジナル公演『いま、月は満ちる』の1曲目が完成した、という報告。いや、報告だけでなく実際に指原が歌い、5期生たちがバックで踊る姿をメンバーたちに披露した。トークのたびに「卒業したら暇になった」と連呼していた指原だが、それは「だから公演曲を書く時間ができたよ」という暗喩だったのか?

これで『大感謝祭』のメインテーマがはっきりした。

令和元年からスタートする「新生HKT48」の壮大なる予告篇! なぜ、指原莉乃は平成のうちにアイドルを離れたのか?  アイドルを卒業したのに、こうやってふたたびステージに立ったのか?

すべては令和のHKT48のため……指原の歴史が途中からHKT48の歴史へと変遷していくセットリストは、新公演の1曲目につながっていた。指原莉乃はいなくなるけれど、この歴史は永久不変。横浜スタジアムでの卒業コンサートから、九州7県ツアー開幕までのブリッジとして、このイベントはどうしても必要だった。メンバーも、ファンも指原にどれだけ感謝してもしたりない!
AUTHOR

小島 和宏


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