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UPDATE|2019/06/15

蒼井優&菊池亜希子が語るアンジュルム和田彩花(2)「自分を貫いてここまで上り詰めた、それが感動的」

左から蒼井優、菊池亜希子

6月18日の日本武道館公演をもって、ハロー!プロジェクトおよびアンジュルムを卒業する和田彩花。そのアンジュルムを愛するあまり『アンジュルムック』(集英社)という本を責任編集するまでに至ったのが蒼井優と菊池亜希子の2人。名だたる女優の心を掴んで離さないアンジュルムというグループの礎を築いた偉大なリーダー和田彩花への愛を、心ゆくまで語ってもらった。(前後編の後編)


前編から続く)
──本の制作作業を通じて、和田さんの知らなかった一面も見えたのでは?

菊池 初めて和田さんと打ち合わせしたとき、私も優ちゃんも平常心ではいられないというか、完全に舞い上がっちゃいまして(笑)。仕事だから、本来そんなことあってはいけないんですけどね。それで落ち着きを取り戻すため、「ちょっとお手洗いに……」とか言って席を外したんです。トイレでも2人して「どうする? どうする?」って大騒ぎして、会議室に戻ってからも和田さんの目は見ることができないまま……。

蒼井 それどころか、ずっと和田さんの靴を見ていたよね(笑)。

菊池 その会議での和田さんも、すごく印象的だったんですよ。年齢的に見たら、和田さんって私たちよりだいぶ下になりますよね。だけど一呼吸置いてから、ちゃんと自分の言葉で自分の考えを話し出すんです。決してその場の雰囲気に飲まれず、自分で咀嚼して発言する。それがカッコいいなと思いました。私自身も普段は取材でインタビューを受けたりするわけですけど、「人にものを伝えるってこういうことか」って和田さんから教わった気がしますね。

──デビュー当時、和田彩花がこんなカリスマになることを予想していた人は少ないと思うんですよ。

菊池 ふにゃふにゃした感じで、舌足らずに「わらああかれーす(和田彩花です)」とか自己紹介していましたから(笑)。

蒼井 『アンジュルムック』のインタビューでご本人が語っていますけど、アンジュルム体制になってから自分たちでプロデュースすることの大切さに気づいたらしいんです。以前はつんく♂さんが総合プロデューサーとしていましたけど、今はそういった立場の人がいない。自分たちで考えていくしかない。そこは和田さんだけじゃなく、他のメンバーも同じ意識らしいですけど。そういう経緯があって、アイドルとしての自我が芽生えたということでしょうね。つんく♂さんがハロプロの総合プロデュースから離れたことは、和田さんのアイドル人生にとっても大きなターニングポイントだった気がします。

菊池 いや、でもさ! 聞いて! この前の『FULL CHORUS(~音楽は、フルコーラス~)』(BSスカパー!)を観ていたらさ……。

蒼井 あっ、それを言っちゃう? え~、観ていない人のために説明するとですね(笑)、和田さん自身もつんく♂さんから「自分でプロデュースできるようになりなさい」って言われていたらしいんです。「だから私はそれを守っていたつもりなんだ」って、そう語るわけです。そして和田さんが流した涙……。それを観た瞬間、やっぱり和田さんにとってつんく♂さんはお父さんなんだなって、しみじみ感じました。だから今回ハロプロを離れるということは、名実ともに実家を離れて1人暮らしするようなものでね。あぁ、ダメだ。こうやって思い出して話しているだけで泣きそうになる……。

菊池 アンジュルムになってから、和田さんってあまりつんく♂さんの名前を出さなくなったんです。出さないというのは、まぎれもなく彼女自身の意志。スマイレージ時代のつんく♂さんの書いたものとは全然違う曲調になり、パフォーマンスも生まれ変わって、自分たちのスタイルを確立しようと頑張っていたわけですから。私もハロプロのファンですから、つんく♂さんとの関係は常に気になっていました。だけど和田さんがあえて名前を出さない以上、触れるわけにはいかないですよ。それが、あの『FULL CHORUS』でとうとう解禁になったというか。

蒼井 つんく♂さんという絶対的存在がいなくなってから和田さんが感じていたプレッシャーと責任感。いつの間にか同期も全員いなくなっていた。「わらああかれーす」じゃ許されなくなってきたんですよね。すごい方ですよ、本当に和田さんは。私みたいにのうのうと生きてきた人間には、とても真似ができない。

CREDIT

取材・文/小野田衛


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