甘利 動画全体のメッセージは、多様な個性と価値観が未来を拓いていくというもの。総理もまた出演者の1人に過ぎず、ポリティシャン(政治家代表)として、「未来を作りたい」と主張します。押し付けではなく、多様な個性が力を発揮するような未来を作りたいと願っているからです。
井上 これまでも各党が行った若者層に向けたPRを見てきましたが、正直、「うーん……」というものがほとんどでした。でも、今回の動画はスタイリッシュで素直にかっこいいなと。実際に公開後、若い人に響いているという感覚はありますか?
甘利 当初は1カ月で再生回数100万回を目指していたんですよ。それを5日で達成しました。
井上 え〜! すごいですね!
甘利 YouTubeだけでなく、SNS全部も合わせての数字ですけどね。
井上 いやいや、人気YouTuberでもなかなか出せない数字ですよ。
甘利 もちろん、これだけで終わらず、ファッションとのコラボなど、いろいろな仕掛けが控えていますから、楽しみにしていてください。
井上 やっぱり8月に控えた参議院選挙に向けた対策という意味もあるんですか?
甘利 従来の手法だと、選挙から派生してPRを始めるでしょう。でも、今回は選挙から離れたところからのアプローチです。
井上 離れたというのは?
甘利 政治には2つの仕事があります。1つは現実の課題を解決していくこと。もう1つは、未来に夢と希望を持たせること。選挙対策ではやはり前者が重要視されます。でも、縁遠いような「ときめき」「ワクワク」も政治の仕事なんです。これまでの政治は、今を解決することに手足を取られていたけれど、我々は未来に向けても本気でやっていくぞ、と。動画を観た若い人が、じゃあ自分たちはどう参加していくかと考えてくれたら、最高ですよね。