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UPDATE|2019/06/29

元経産大臣の甘利明議員に聞く「今話題の #自民党2019 の意図ってなんですか?」

左から甘利明、井上咲楽 撮影/松山勇樹



井上 注目区は?

甘利 一人区ですね。過半数を取るためには32ある改選議席1の一人区で勝たなくてはなりません。しかし、参院選は選挙区が広いですから、浮動票を中心に世の中の雰囲気によって票数が大きく左右されます。6年前は安倍内閣ができて半年後の選挙だったので、期待値が非常に高く「自民党公認」というだけで当選するような勢いがありました。今回は、そこで当選した議員の再選という選挙になりますから。あのときほどの追い風はないでしょう。ただ、あの動画も貢献したのか、最新の内閣支持率はまた上がってきましたし、悲観はしていませんよ。

井上 私が政治に興味を持つようになってからは、ずっと自民党一強状態が続いています。その理由はどこにあるんでしょうか?

甘利 野党は「自民党は守る側で我々はチャレンジする側だ」と言うんだけど、それは本質を分かっていないと思います。自民党は伝統とチャレンジの政党なんですよ。海外の政権が「自民党研究」を行っています。「なぜ、日本は議会制民主主義国家にもかかわらず、一時期を除いてずっと自民党が政権を保っていられるのか?」と。実際、議会制民主主義の発祥の地であるイギリスでは保守党と労働党がしょっちゅう入れ替わっていますからね。

井上 海外は政権交代がよくあって、日本は滅多に起きないイメージです。

甘利 これには理由があるんです。日本では、国民が野党の存在を外国ほど意識しなくても不都合を感じない。例えば、社会保障政策。健康保険制度、年金制度、介護保険制度の3つの社会保障システムが皆保険制度として整っている国は、世界中で数カ国しかありません。

井上 そうなんですか。

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/松山勇樹


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