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UPDATE|2019/07/08

「未来は危なっかしいほど楽しさが増す」欅共和国で欅坂46が暗示した海図なき旅の始まり

撮影/上山陽介

7月5(金)~7日(日)、今年で3回目となる「欅共和国」が開催された。会場は、富士急ハイランド・コニファーフォレスト。都心から車で2時間ほどかかる場所。つまり、野外だ。梅雨で天候が安定しない中、3日間で合計約4万8千人を動員し、今年も大成功を収めた。



「欅共和国」といえば、大量の水による演出だ。雨が降るかもしれないし、年に一度の祭りなのだから、「水浸しになるのも悪くないのでは?」ということで、メンバーからのすさまじい“放水”が恒例になっている。消防車で使われるような大きさの放水機、70mの高さまで水柱を上げることができる放水マシン「ウォーターショット」が何台も用意されたばかりか、ステージの前に水でスクリーンを作る「ウォータースクリーン」といった新たな試みも。使用された水の量は昨年の5倍、210tだったそうだ。

雨が降るかもしれないこと、水浸しになること、会場までの交通の便が決していいわけではないこと。それらの条件を考えれば、3日間で4万8000人が“入国”したのは驚異的だ。「欅共和国」では、来場することを“入国”と呼んでいる。ファンは欅坂46への思いを証明するために、足を運ぶ。距離も天候も“愛国心”を示すための足かせにはならない。

筆者は3日目に“入国”した。昨年は、けやき坂46が出演したり、シングル『アンビバレント』を初披露したりしたが、パフォーマンス面での目玉は「集団行動」だった。日体大でおなじみの、一糸乱れぬ行進パフォーマンスを採り入れ、華麗に演じてみせた(発案者は平手友梨奈。後にラストアイドルも『大人サバイバー』で採用)。今年の欅坂46は何を見せてくれるのか。

17時45分。巨大な船を模したセットに登場したのは、ブラスバンドだった。その後、演奏に乗ってメンバーも登場。尾関梨香はバケツのふたをシンバルのように叩く。他のメンバーはデッキブラシでステージを掃除するパフォーマンスを見せる。竹箒を手にしているメンバーもいる。自分の体や道具を使い、音に合わせてダンスをする「ストンプ」だ(AKB48の『RIVER』のイントロでも採用)。今年の目玉はストンプだった。

気がつくと、メンバーは両手に手旗を持っていた。ストンプの次は、手旗信号を披露し始める。メンバーは手旗をリズミカルに動かし、シュパッと小雨を切り裂く。

トリで登場したのは、さながらジャック・スパロウのようなハットをかぶった平手。彼女が船長であることを表している。中央に位置した平手も手旗に参加した。後のMCで明かされたところによると、手旗で「欅共和国」と表していたという。派手でありながら繊細な味つけだ。こうしてメンバーを乗せた船は港を発った。

わずか数分で自分たちの世界を作り上げ、“入国”した者を圧倒してみせた。この空間を味わうためにファンはこの地に降り立ったのだ。
AUTHOR

犬飼 華

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